...その跡を慕って大鯰(おおなまず)が池から雫(しずく)をひたひたと引いて襲う気勢(けはい)がある...
泉鏡花 「怨霊借用」
...それを知れば蠅男はその夜のうちに彼の秘密を知って居ると云う糸子の寝所を襲うだろうとは予期出来ることだった...
海野十三 「蠅男」
...空寂に堪へぬやうな感じが其胸を襲うて來た...
高濱虚子 「續俳諧師」
...自分たちのキャンプを襲うて来るに違いないというのであった...
橘外男 「令嬢エミーラの日記」
...昨月曜日夜、ポッツァレル・プラッツに三百人を一団とせる共産党員の暴動起り、警察を襲う...
谷譲次 「踊る地平線」
...海上のガス即ち霧が襲うて來るので...
徳冨蘆花 「熊の足跡」
...何か云うようだが叩く音と共に耳を襲うので...
夏目漱石 「琴のそら音」
...宗次郎芳江兄弟の隠れ家を襲う外はありません...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...もうひとつ来ればやがて最終悲劇が襲う...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「謎の四つ指」
...だからして虎は人を襲うに今度は誰を食うとちゃんと目算が立ちおり...
南方熊楠 「十二支考」
...石窟を襲うてその党を誅し尽くした...
南方熊楠 「十二支考」
...これはどうなることであろうという不安が大御心(おおみこころ)を襲うた...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...小さな場合というやつは不意にわたしを襲う...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...しばしば同時に我々を襲うところの・そして互いにほとんど必然的な関係をもつところの(例えば肝臓の熱と胃の腑の冷えというような)・様々の相反する故障にも対処しなければならないので...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...こういう人民全体を襲う病気となると...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...朝、千草にて朝食後、シゲ女宅を襲う...
山崎富栄 「雨の玉川心中」
...……また或るときはおのれの声望が藩中に圧倒的となった結果「亀阜荘さまは弟を排して讃岐守を襲うおこころがある」と頼胤の側近から風評がおこった...
山本周五郎 「新潮記」
...憧れの底から無性に襲うこのようないら立たしさは...
横光利一 「旅愁」
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