...雨が襟脚(えりあし)に落ちたので初めて寒いと思った...
有島武郎 「或る女」
...きめの細(こまか)な襟脚の好(よ)さなんと言っちゃねえ...
泉鏡花 「唄立山心中一曲」
...……雪の襟脚、白い手だ...
泉鏡花 「唄立山心中一曲」
...三束(みたば)五束(いつたば)附木(つけぎ)を並べたのを前に置いて、手を支(つ)いて、縺(もつ)れ髪の頸(うなじ)清らかに、襟脚白く、女房がお辞儀をした、仰向けになって、踏反(ふんぞ)って、泣寐入(なきねい)りに寐入ったらしい嬰児(あかんぼ)が懐に、膝に縋(すが)って六歳(むッつ)ばかりの男の子が、指を銜(くわ)えながら往来をきょろきょろと視(なが)める背後(うしろ)に、母親のその背(せな)に凭(もた)れかかって、四歳(よッつ)ぐらいなのがもう一人...
泉鏡花 「婦系図」
...カサコソと捲きおこる秋風が呉子さんの襟脚(えりあし)にナヨナヨと生え並ぶ生毛(うぶげ)を吹き倒しても...
海野十三 「振動魔」
...襟脚はいやに鈍重な感じで...
太宰治 「ダス・ゲマイネ」
...襟脚はいやに鈍重な感じで...
太宰治 「ダス・ゲマイネ」
...――それに御守殿(ごしゆでん)崩(くづ)しの襟脚が滅法綺麗だ」「何? 御守殿崩し?」「まさか椎茸髱(しいたけたぼ)ぢやねえが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...――それに御守殿(ごしゅでん)崩しの襟脚(えりあし)がめっぽう綺麗だ」「何? 御守殿崩し?」「まさか椎茸髱(しいたけたぼ)じゃねえが...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...女ようすくれなゐにくちびるはいろどられ粉おしろいのにほひは襟脚に白くつめたし...
萩原朔太郎 「純情小曲集」
...緑蔭倶樂部都のみどりば瞳(ひとみ)にいたく緑蔭倶樂部の行樂はちまたに銀をはしらしむ五月はじめの朝まだき街樹の下に竝びたるわがともがらの一列ははまきたばこの魔醉より襟脚きよき娘らをいだきしむ...
萩原朔太郎 「蝶を夢む」
...夜目にも透いて見える襟脚の確乎(くつきり)白きに...
萩原朔太郎 「二十三夜」
...憤ろしさに抜けるほど白い襟脚(えりあし)が止む景色なく慄えていた...
正岡容 「小説 圓朝」
...背を向けると呼吸(いき)をのむような見事な襟脚が二つならんでいた...
山川方夫 「その一年」
...彼女の襟脚(えりあし)を眺めながら...
吉川英治 「江戸三国志」
...彼女の襟脚から二尺ほど上の仏壇の中に...
吉川英治 「雲霧閻魔帳」
...その細(ほっ)そりした襟脚(えりあし)に気がついて...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...またガックリとうつむいた襟脚(えりあし)が...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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