...真の作家の襟度(きんど)であるということをここに申してみたいつもりなのです...
上村松園 「苦楽」
...あまつさえ自分に罪を犯した不義者を心から悔悛(くいあらた)めさせるための修養書を買って与えたという沼南の大雅量は普通人には真似(まね)ても出来ない襟度(きんど)だと心から嘆服した...
内田魯庵 「三十年前の島田沼南」
...偽善でも何でも忘恩の非行者に対してこういう寛容な襟度を示したものは滅多にない...
内田魯庵 「三十年前の島田沼南」
...馬琴には奇麗サッパリと譲ってやる襟度(きんど)が欠けていた...
内田魯庵 「八犬伝談余」
...かついやしくも前途に平生口にする大抱負を有するなら努めて寛闊(かんかつ)なる襟度(きんど)を養わねばならない...
内田魯庵 「二葉亭四迷の一生」
...これが大都会の襟度(きんど)というものかも知れないなどと...
太宰治 「惜別」
...光風霽月の襟度を示した点は...
辰野隆 「浜尾新先生」
...第一に決死の覚悟と大国民の襟度(きんど)...
谷譲次 「踊る地平線」
...処が日本の体協は突然今度は「大国の襟度」を示して...
戸坂潤 「社会時評」
...個人の資格でもいいから中国の出席を希望するという大国の襟度を示しているが...
戸坂潤 「社会時評」
...これを受け容(い)れる襟度(きんど)のなかったためである...
新渡戸稲造 「自警録」
...乞丐(こつがい)が帝王の襟度(きんど)を忖度(そんたく)することを得ぬと同じである...
森鴎外 「細木香以」
...駄作を承認する襟度に一層の自信を持つようになったのは...
横光利一 「作家の生活」
...なんといふ靜肅な襟度であらうか...
吉川英治 「折々の記」
...しかも武士道的な襟度...
吉川英治 「剣難女難」
...宮門の直臣たる襟度(きんど)を持しておる者もない...
吉川英治 「三国志」
...余燼(よじん)の拾得(しゅうとく)を争おうや――という襟度(きんど)があった...
吉川英治 「新書太閤記」
...云わぬばかりな襟度(きんど)をわざと示しているのである...
吉川英治 「源頼朝」
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