...それから隔ての襖(ふすま)を明けると...
芥川龍之介 「お律と子等と」
...ばたりめ組が襖を開けると...
泉鏡花 「婦系図」
...大掾(だいじよう)の妻6・24(夕)摂津(せつつの)大掾の女房(かない)のお高(たか)婆さんといふと、名代の口喧(くちやかま)しい女で、弟子達の多くが温柔(おとな)しい大掾の前では、日向ぼつこの猫のやうに暢(のん)びりした気持でゐるが、一度襖の蔭から、お高婆さんの皺くちやな顔が覗くと、首を竦(すく)めて恟々(きよう/\)する...
薄田泣菫 「茶話」
...婢が出て往くと起(た)って往って境(さかい)の襖(ふすま)の間を軋(きし)まして...
田中貢太郎 「牡蠣船」
...章一は女が坐ってしまうと襖(ふすま)の外へ声をかけた...
田中貢太郎 「一握の髪の毛」
...横手の襖(ふすま)が殆ど音を立てない位にそつと開いて...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...しんとした部屋の襖(ふすま)の蔭から見られた...
徳田秋声 「爛」
...襖をつつましく開けると...
直木三十五 「南国太平記」
...床の高い御殿の内部に立ちつゞいた襖...
永井荷風 「冬の夜がたり」
...隔ての襖(ふすま)が紗(しゃ)のように透きとおりました...
中里介山 「大菩薩峠」
...またはたと襖を立て切った...
夏目漱石 「草枕」
...薄ら寒い襖の蔭に依然として立っていた...
夏目漱石 「行人」
...しばらくするとまた襖(ふすま)の陰(かげ)から顔を出して...
夏目漱石 「行人」
...襖(ふすま)をはりかえさせ...
長谷川時雨 「柳原※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子(白蓮)」
...何焼いてるの」厠から戻って来た田部が女中の豊かな肩に手をかけて襖からのぞき込んだ...
林芙美子 「晩菊」
...すうと襖をあけたり...
室生犀星 「香爐を盗む」
...ばりばりと襖や障子が毀され...
山本周五郎 「思い違い物語」
...全くこれも不意に襖がさツと開かれた...
横光利一 「蛾はどこにでもゐる」
便利!手書き漢字入力検索