...「お呼びで厶いますか?」と襖を開けたが...
石川啄木 「病院の窓」
...ぴったり閉めた襖一枚……台所へ続くだだっ広い板敷との隔(へだて)になる……出入口(ではいりぐち)の扉(ひらき)があって...
泉鏡花 「霰ふる」
...即ち襖の破目(やれめ)を透(とお)して...
泉鏡花 「霰ふる」
...だ、だれが怒ってなぞいるものかい」男は興奮の様子で、襖に手をかけた...
海野十三 「棺桶の花嫁」
...襖はぴったりしめ切られている...
太宰治 「不審庵」
...細君の締め残してあった壁厨(おしいれ)の襖を開けた...
田中貢太郎 「平山婆」
...「もう分ってくれはりましたよって出て来なさい」と襖(ふすま)越しに声かけました...
谷崎潤一郎 「卍(まんじ)」
...ちょっと」「はいよ」立ってはこずに襖越(ふすまご)しの返事は...
壺井栄 「二十四の瞳」
...お葉は女中部屋へ入つて、襖を締切つて、鏡台の前に坐つて連(しき)りに硼酸で顔を冷してゐた...
徳田秋聲 「浪の音」
...じっと室の入口の襖の方を見た...
豊島与志雄 「蘇生」
...灯が、暗いようなので、心(しん)を切ろうと、じっと、灯を見つめながら、手を延そうとすると、部屋中が、急に薄暗くなって、天井が、壁が、畳が、襖が、四方上下から、自分を包みに来るように感じた...
直木三十五 「南国太平記」
...玄関の襖が開いた...
直木三十五 「南国太平記」
...おそるおそる四枚立の襖(ふすま)の明放(あけはな)してある次の間(ま)を窺(うかが)うと...
永井荷風 「日和下駄」
...水は戸も障子も襖(ふすま)も一時に押破って...
中里介山 「大菩薩峠」
...襖一重の明け開いた隔ての間で...
中里介山 「大菩薩峠」
...彼が黙って間(あい)の襖(ふすま)を開けて次の室(へや)へ出て行こうとした時...
夏目漱石 「明暗」
...この襖子(からかみ)は急な用を思いついてあけたままで出て来たのを...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...隣室の襖の開く音がした...
室生犀星 「蒼白き巣窟」
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