...茶棚の傍(わき)の襖口へ行きかけた主税は...
泉鏡花 「婦系図」
...汚い襖や壁や、取亂(とりち)らした棚の上やが皆見馴れぬもの許りで、其上絶えず喧嘩でもして居るのかと思はれるやうな表の人聲や其他雜多の物音が耳について眠らうとしても眠れなかつた...
高濱虚子 「續俳諧師」
...先生は倒れる襖を避けて...
太宰治 「不審庵」
...先刻から襖の影で二人の話をきいていたらしい細君が...
豊島与志雄 「田原氏の犯罪」
...書生避暑地の旅舎に徹宵(てっしょう)酔歌放吟して襖を破り隣室の客を驚かすも亭主また之を制せず...
永井荷風 「偏奇館漫録」
...その襖(ふすま)の腰にはいっぱいに源氏香が散らしてある...
中里介山 「大菩薩峠」
...「先生! 先生! おいらの先生」彼は襖(ふすま)の中を見込んでこう言うと共に...
中里介山 「大菩薩峠」
...秋草の襖へ手をかけたのです...
中里介山 「大菩薩峠」
...勅使の間――襖の絵は狩野山楽の筆...
中里介山 「大菩薩峠」
...「鍋」「ハイ」トお鍋が襖(ふすま)を開けて顔のみを出した...
二葉亭四迷 「浮雲」
...音のせぬように襖を開けて入ると...
正宗白鳥 「入江のほとり」
...次の室へ入って襖を締めた...
正宗白鳥 「入江のほとり」
...よろしゅおたの申しますう」「――何事どす?」茶の間の襖(ふすま)を開けて顔を出すなりこの始末に女将は...
宮本百合子 「高台寺」
...立っていたほうの姫君が襖子の口の所へまで行ってから...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...襖紙(ふすまがみ)の切れはしのように細長く見え...
山本周五郎 「さぶ」
...仏間の襖が少しあいていて...
山本周五郎 「契りきぬ」
...女中が声をかけて襖(ふすま)をあけたとき...
山本周五郎 「屏風はたたまれた」
...襖に一寸手をかけた後姿を眼にしたのが...
横光利一 「旅愁」
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