...東の縁に干してある襁褓(むつき)から立つ塩臭いにおいや...
有島武郎 「或る女」
...襁褓(むつき)を縫ひ...
アダ・ネグリ Ada Negri 上田敏訳 「母」
...殊にお霜婆さんが二日許りして歸つた後は已むを得ず襁褓の洗濯をもした...
高濱虚子 「續俳諧師」
...バスを待ちわびてゐる藤の花(小郡から大田へ)曲つて曲る青葉若葉( 〃 )ぎつしり乗り合つて草青々( 〃 )□苺ほつ/\花つけてゐた(伊東君に)つゝましく金盞花二三りん( 〃 )襁褓干しかけてある茱萸も花持つ( 〃 )逢うてうれしい音の中( 〃 )□鳴いてくれたか青蛙(或る旗亭にて)葉桜となつて水に影ある( 〃 )たそがれる石燈籠の( 〃 )□きんぽうげ...
種田山頭火 「行乞記」
...長いあいだ襁褓(むつき)の始末などについて...
徳田秋声 「黴」
...懐しい襁褓(むつき)の臭のような愛情が...
外村繁 「夢幻泡影」
...襁褓(おむつ)を取代えてやれ...
豊島与志雄 「幻の彼方」
...干してある襤褸(ぼろ)や襁褓(おしめ)や...
永井荷風 「すみだ川」
...卵塔場(らんたうば)に嬰子(やや)の襁褓(むつき)ほしたるなど...
樋口一葉 「たけくらべ」
...赤ン坊の襁褓(おしめ)をこしらえていたが...
火野葦平 「花と龍」
...襁褓(むつき)が見えて想像中の人が現実の人となると...
二葉亭四迷 「平凡」
...汚い軒端に干されてゐる「襁褓」の一つは或は女房のそれであつたかも知れない...
正岡容 「根津遊草」
...パリ等にキリストの襁褓(むつき)...
南方熊楠 「十二支考」
...プツゼル婆あさんは膝の上に載せてゐた赤ん坊をよく襁褓にくるんで...
カミイユ・ルモンニエエ Camille Lemonnier 森林太郎訳 「聖ニコラウスの夜」
...机に倚りて襁褓(むつき)縫ひたりしエリスは振り返へりて...
森鴎外 「舞姫」
...この心がまえを」といいつつ一つの木綿ぎれを取上ぐるを見れば襁褓(むつき)なりき...
森鴎外 「舞姫」
...』執達吏は其の産衣(うぶぎ)をも襁褓(むつき)をも目録に記入した...
與謝野寛 「執達吏」
...お襁褓(しめ)をあてている子どもをよく御覧...
吉川英治 「新書太閤記」
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