...その色彩は褪せ、その内容は貧弱となる...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...槲(かしは)やナラの葉の、赤い色が褪せて、乾反(ひぞ)り葉(ば)になつてしまつてから、やうやく色づくのだと云はれるイタヤもみぢも、その一と角に既に眞ツ赤に紅葉してゐる...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...文夫様を殺したものは叔父様の外には絶対にないと思うんでございますの』『それはまたどうして?』お梶さんの青褪めた額からは油汗が染み出ました...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「蛇性の執念」
...年々に色褪(いろあ)せて行く今日では...
谷崎潤一郎 「細雪」
...そうして不潔ではないが色褪せた花形模様の着物を着ている彼女は...
富ノ沢麟太郎 「あめんちあ」
...多少色褪せた静かな忘れ得られぬ花である...
豊島与志雄 「一つの愛情」
...紫の褪めきつた風呂敷包と...
長塚節 「十日間」
...色の褪(さ)めた歴史の上に...
夏目漱石 「門」
...朝陽を正面(まとも)に浴びたところを見ると、染色も褪せ、地も摺り切れて、見るかげも無い振袖ですが、昔はどんなに美しかったろうと思われる品です...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...傾きかけて光の褪(あ)せた陽の中に...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...太陽の光の薄れ行くにつれて草原の色彩はもう褪(あ)せて了つたのだ...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...姉の容色が急に褪(あ)せてきたように思われて...
エルンスト・テオドーア・アマーデウス・ホフマン Ernst Theodor Amadeus Hoffmann 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
...紅を吸上げさせた色の褪(さ)めたやうに淡紅い菖蒲(あやめ)の花と白の杜若(かきつばた)とを五六本手に持つて...
三島霜川 「平民の娘」
...あの娘は色の褪(さ)めた洋傘をつぼめたまゝ手に持つてゐる...
水上滝太郎 「大阪の宿」
...袿はまだ匂いをのこしているものの早その色を褪(あ)せかけようとしているほどだった...
室生犀星 「荻吹く歌」
...下唇をギリギリと噛んだまま見る見るうちに青褪(あおざ)めて行くうちに...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...彼女の褪(あ)せた唇を...
吉川英治 「宮本武蔵」
...雨に褪(あ)せた紫陽花(あじさい)のように...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
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