...杉山は前にのめり忽ち死人の如く青褪め...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「鳩つかひ」
...色(いろ)の褪(さ)めた徽章(きしやう)の附(つ)いてる軍服(ぐんぷく)を始終(ふだん)着(き)てゐるニキタと云(い)ふ小使(こづかひ)...
アントン・チエホフ Anton Chekhov 瀬沼夏葉訳 「六號室」
...その蒼褪めた兩手を眺めつゝ誰に云ふとも無く...
千家元麿 「自分は見た」
...蒼褪(あおざ)めてはいられながらも...
橘外男 「グリュックスブルグ王室異聞」
...いつも肩のあたりの色の褪(さ)めた背広などを着込んで...
徳田秋声 「爛」
...冷たい色褪(あ)せたちっぽけな魂を...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...全体の黒みがいちどに褪せたそういう髪を...
豊島与志雄 「幻の園」
...どうか先生は私のことはお忘れになつて奧さんをお極めになつて頂きますと矢張り一月に言つたやうなことをいつて縞の褪めた膝の上にぼろ/\と涙を落した...
長塚節 「開業醫」
...僅(わづか)な衣物(きもの)であるがそれでも煤(すゝ)けたやうに褪(さ)めた風呂敷(ふろしき)に大(おほ)きな包(つゝみ)が二つ出來(でき)た...
長塚節 「土」
...椅子と洋卓(テーブル)と色の褪(さ)めた長椅子とが置いてあった...
夏目漱石 「満韓ところどころ」
...それがほとんど一樣に褪めかかつてゐる...
堀辰雄 「旅の繪」
...保存よろしきを得たその大暖簾は濃い柿染の殆んどいろ褪するところもなく...
正岡容 「山の手歳事記」
...色の褪(さ)める隙(ひま)のないのが...
森鴎外 「雁」
...その色香があまりに常用されることによって褪(あ)せているのと同じことだ...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...褪紅色(たいこうしょく)のうす絹です...
吉川英治 「江戸三国志」
...さっと褪(あ)せて...
吉川英治 「新書太閤記」
...褪(あ)せていてはならぬ...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...顔は最初の血潮が褪(あ)せて...
吉川英治 「柳生月影抄」
便利!手書き漢字入力検索