...」と得意らしく小鼻を揺(うご)めかしながら毬栗頭は褪(は)げチヨロケた黒木綿の紋付羽織をリウとしごいて無図(むづ)と座つた...
内田魯庵 「貧書生」
...まるで死人の如く青褪めていました...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「機密の魅惑」
...心ごゝろの春去りて色こと/″\く褪めはてつ夕波寒く風たてば行衞や迷ふ花の魂名殘の薫りいつしかに水面遠く消えて行く...
土井晩翠 「天地有情」
...夕日の名残(なごり)をとゞめて赭(あか)く輝やいた駒が岳の第一峰が灰がかった色に褪(さ)めると...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...死んだ魚の眼の色は濁り淀(よど)みその鱗(うろこ)は青白く褪(あ)せてしまい...
永井荷風 「監獄署の裏」
......
中谷宇吉郎 「赤倉」
...日(ひ)に燒(や)けて生涯(しやうがい)褪(さ)めつこない強(つよ)い色(いろ)を有(も)つてゐた...
夏目漱石 「門」
...彼の光沢ある毛は漸々(だんだん)色が褪(さ)めて抜けて来る...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...顔の色が褪(あ)せて...
林芙美子 「田舎がえり」
...色褪(あ)せた記念碑の残骸にすぎない...
原口統三 「二十歳のエチュード」
...子爵夫人は青褪めたが笑いながら答えた...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...鳥打帽をかむった褪めた紺絣をきた男が...
室生犀星 「或る少女の死まで」
...彼誰時(たそがれどき)の空には星の色が褪め掛かる...
アンリ・ド・レニエエ Henri de Regnier 森林太郎訳 「復讐」
...私の母の色の褪めた扱帯(しごき)が輪の形になってブラ下がっているのが眼に這入りました...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...朱をふくんだかの唇は褪(あ)せないで...
吉川英治 「八寒道中」
...雨に褪(あ)せた紫陽花(あじさい)のように...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
...色の褪(あ)せた紺の脚絆(きゃはん)...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
...もう空の茜(あかね)が薄黝(うすぐろ)く褪(あ)せた頃だった...
蘭郁二郎 「蝕眠譜」
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