...その顔色はひどく蒼褪(あおざ)め...
大阪圭吉 「三狂人」
...怪物は背には学者のように色の褪めた背広を着て...
薄田泣菫 「初蛙」
...―――秋をおきて時こそありけれ菊の花うつろふからに色のまさればさて彼が丹精して作ったそれらの菊の花どもゝすっかり色香が褪(あ)せてしまったその年の冬の...
谷崎潤一郎 「少将滋幹の母」
......
種田山頭火 「行乞記」
...色も香も褪(あ)せはてて...
徳田秋声 「のらもの」
...その色褪(あ)せた細い首を...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...褪せたほのかな匂いきりしなかった...
豊島与志雄 「反抗」
...艶が褪せなかった...
豊島与志雄 「山吹の花」
...浮世絵はその描ける美女の姿態とその褪(さ)めたる色彩とによりて...
永井荷風 「江戸芸術論」
...芸術を衰褪させるものは固定観念である...
中原中也 「芸術論覚え書」
...日に焼けて生涯(しょうがい)褪(さ)めっこない強い色を有(も)っていた...
夏目漱石 「門」
...飽き易く褪(さ)め易き...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...地色の褪赭(セピア)を紫色に仕上げているのです...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...興も春色も褪(さ)めると見たのもしばし...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...向うに中学の色褪(あ)せた校舎が見えたが...
原民喜 「冬日記」
...あさましい褪(あ)せた色をしていました...
室生犀星 「寂しき魚」
...すっかり蒼くなるほど皮膚が褪(さ)めた色になった...
室生犀星 「三階の家」
...あの人達の手眞似、足眞似があたしをあそこまで連れてゆかない前に、もうずつと先刻から吃るお稽古をしてゐて、頭は蒼褪め、脇の下に冷たいあせりが汗になつてにじんでまゐります...
室生犀星 「末野女」
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