...悪い癖で宿屋の褞袍(どてら)を着ることの嫌いな私は...
岩本素白 「雨の宿」
...糸織の褞袍(どてら)に着脹(きぶく)れている...
徳田秋声 「あらくれ」
...褞袍をひっかけて出て来た...
豊島与志雄 「浅間噴火口」
...寝間着に褞袍をはおった登志子が...
豊島与志雄 「擬体」
...お茶の道具と炭と褞袍とを片方に置いた...
豊島与志雄 「湖水と彼等」
...例へば雪みぞれの廂(ひさし)を打つ時なぞ田村屋好(たむらやごの)みの唐桟(とうざん)の褞袍(どてら)に辛(から)くも身の悪寒(おかん)を凌(しの)ぎつつ消えかかりたる炭火(すみび)吹起し孤燈(ことう)の下(もと)に煎薬煮立つれば...
永井荷風 「矢はずぐさ」
...彼(かれ)は其(そ)の朝(あさ)は褞袍(どてら)を着(き)ても夜(よ)のまだ明(あ)けない内(うち)からの騷(さわ)ぎなので身體(からだ)が冷(ひ)えて居(ゐ)た...
長塚節 「土」
...彼(かれ)は褞袍(どてら)を着(き)て竈(かまど)の前(まへ)に火(ひ)を焚(た)いて居(ゐ)る女房(にようばう)を見(み)た...
長塚節 「土」
...包の中には試しに袖(そで)を通したばかりの例の褞袍(どてら)と平絎(ひらぐけ)の寝巻紐(ねまきひも)が這入(はい)っているだけであったが...
夏目漱石 「明暗」
...仕事の方に取りかかろうかと思っている」利助は褞袍(どてら)を引っかけて...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...褞袍(どてら)へ袖を通して...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...褞袍(どてら)姿で出て行つた...
林芙美子 「浮雲」
...宿の褞袍(どてら)を肩に引つかけて...
林芙美子 「浮雲」
...褞袍の裾が草にひっ絡んで急には起きあがれない...
久生十蘭 「生霊」
...……褞袍を着て、頬冠りをして……」三十郎は、馬鹿々々しくなって笑い出した...
久生十蘭 「生霊」
...破れ褞袍を重ねにした石田氏と...
久生十蘭 「我が家の楽園」
...いったいどうなさるおつもりなんです?」石田氏は褞袍(どてら)の懐手を...
久生十蘭 「我が家の楽園」
...宿の褞袍(どてら)に着かえながら...
火野葦平 「花と龍」
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