...絵は蕭索（せうさく）とした裸の樹を... 
芥川龍之介 「戯作三昧」
...見ると、猪熊（いのくま）の小路のあたり、とある網代（あじろ）の塀（へい）の下に腐爛（ふらん）した子供の死骸（しがい）が二つ、裸のまま、積み重ねて捨ててある...
芥川龍之介 「偸盗」
...往来のまん中へ、赤裸のまま、両股をひらいて、そしてすっくと突っ立ち上り、両手を腰にあて、両眼を見開いて大空のある一点を凝視したまま、二日でも三日でも、気のすむまで地から生え抜いた天下大将軍のそれのように、悠然として立っているのである...
犬田卯 「沼畔小話集」
...思想は裸の法則としてではなくて...
戸坂潤 「哲学の現代的意義」
...言葉の美しい裸の手足が...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...鍛錬を貫いての裸のものになっていくことの美しさにおいてみな一つなのである...
中井正一 「美学入門」
...上の方には丸裸の骨ばかり残った所に...
夏目漱石 「それから」
...裸の小僧さんが棒のさきへ何かつけて吹くと...
長谷川時雨 「チンコッきり」
...赤土の裸の丘と、嶢※（ぎょうかく）たる岩地...
久生十蘭 「墓地展望亭」
...そこから裸の電球が妙に冷酷な光を投げかけている...
久生十蘭 「魔都」
...謂はば裸のままで...
三木清 「唯物史観と現代の意識」
...そのやせ我まんと云う仮面をぬいで赤裸の心を出さにゃならぬワ...
宮本百合子 「葦笛（一幕）」
...まっ裸の人間を思い浮べるとき...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...まず眼についたのは白い裸の肉躰であった...
山本周五郎 「赤ひげ診療譚」
...そこの裸の男」其角が末席に座ると...
山本周五郎 「其角と山賊と殿様」
...私達を試みる赤裸裸の...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集」
...千早川の裸の子らも...
吉川英治 「私本太平記」
...樹木もない鳥居とトタン屋根だけの裸のお宮がそれであった...
吉川英治 「随筆 新平家」
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