...お前には凡ての經驗に直接にぶつゝかつてゐる餘裕がないから...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...遂にデモクラシーによつて順調に進んでいる富裕なる先進國の支配力を破壞して世界制覇を志したのが...
石原莞爾 「新日本の進路」
...二人はここに一夕の余裕を得た...
伊藤左千夫 「春の潮」
...彼の気持には一日しずかに休養するだけの余裕もなかった...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...わたしが貸してやろうとした余分の着物をことわるだけの余裕があるのを見た...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...そんな批判の余裕を持った事が無い...
太宰治 「弱者の糧」
...少しは余裕をつけて...
徳田秋声 「黴」
...富裕なロシヤ貴族の遊惰は...
豊島与志雄 「現代小説展望」
...世間がボルクマンの様な人間で充満しない限りは余裕だらけである...
「高浜虚子著『鶏頭』序」
...寝もやらずに待っていた平次はこの時ばかりは冗談を言う余裕もなく飛出しざま...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...といって、お糸さんに迷ってから、散々無理を仕尽した今日此頃、もう一文(もん)の融通(ゆうずう)の余地もなく、又余裕もない...
二葉亭四迷 「平凡」
...何も言うつもりはありません」警部補が笑う様子は警察官としての余裕...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「ギルレイ」
...冗談ぐち一つ利く余裕も失ひ...
牧野信一 「創作生活にて」
...もう途中で酒の見物をしたりダンスの足どりをしたりする余裕もなく...
牧野信一 「街角」
...お互を愉快なエピゴーネンにするだけの余裕はお互に持ち合はせてゐるだらう作業は暑いし 本は読みきったし隣房とは話させぬために西瓜の殻のように僕のまはりをずらりとからっぽにしてしまったし官給六銭也の定食にはまだ時間があるしそれに牢獄新聞の発行も今はちょっとお休みなのでね」バイロン卿は手をふりながら答へた「僕は...
槇村浩 「長詩」
...風流なことなどは言っておいでになる余裕がお心になく...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...人を尋ねる餘裕はない...
森林太郎 「長谷川辰之助」
...うしろを振向く餘裕などはない...
吉川英治 「折々の記」
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