...表戸から裏戸にくぐり抜ければその住み手たちが見えてしまう...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...夕ぐれ、ぢつとしてゐると、裏戸があいた、樹明君だ、電球を持つてきてくれた、そしてバツト、そして五十銭玉一つ、さつそく酒を買うてくる、……感泣々々...
種田山頭火 「其中日記」
...僕が気が狂っているとは……」私がブランディの壜(びん)を裏戸棚にしまっていると...
ドイル Arthur Conan Doyle 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
...小屋の裏戸が鳴りました...
中里介山 「大菩薩峠」
...親爺は裏戸口の風呂で暖まる...
長塚節 「芋掘り」
...おつぎが手桶(てをけ)を持(も)つた時(とき)勘次(かんじ)は裏戸(うらど)の垣根口(かきねぐち)にひよつこりと出(で)た...
長塚節 「土」
......
野口雨情 「雨情民謡百篇」
...裏戸の音夜の夜中に裏戸を叩くことんことんとときたま叩く今夜来るとのたよりはないが可愛男じやないか知ら...
野口雨情 「沙上の夢」
...朝まだきに裏戸を叩く声あり...
正岡子規 「小園の記」
...「それじゃあ、おまえさんは、どうあっても、この娘を、この家から攫(さら)っていこうというのかい?」「攫うも攫わねえも、大たい、婆さんと何のかかわりもねえこった」「ふうん、えらそうに――ようし、覚えておいで――」どこまで、図太いお三婆だか、そういうと、つと、立ち上ったが、裏戸に行って、水口の雨戸を開けようとする...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...跫音は裏戸のあたりで停(とま)ったらしく...
室生犀星 「津の国人」
...呼吸(いき)を呑(の)みこんでなおうかがうように裏戸の方を見すえていた...
室生犀星 「津の国人」
...仕えの女に彼女は裏戸にいる男を教えた...
室生犀星 「津の国人」
...あらたまの年の三年を待ちわびてただ今宵こそにひまくらすれ仕えの女はしばらく裏戸から去らずに...
室生犀星 「津の国人」
...土間をぬけて裏戸をあけ...
山本周五郎 「失蝶記」
...騒ぐことはありません」甚助は、信国(のぶくに)の一腰を横たえて、裏戸を開け、墻(かき)を躍(おど)って、表の土塀門のほうへ迫って行った...
吉川英治 「剣の四君子」
...道場の裏戸から静山は戸外(おもて)へ立ち去る――「あっ...
吉川英治 「剣の四君子」
...築地の裏戸がそっと鳴った...
吉川英治 「親鸞」
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