...往々にして自己を他人と異れるものにせむとする欲求によつて裏切られることはないか...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...その求める善が時として之と矛盾する慾望によつて裏切られることがある限り...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...私達は屡言葉の為めに裏切られる...
有島武郎 「惜みなく愛は奪う」
...その目で見た事を経験で裏切られる事はないのだから...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...必ず、裏切られる...
太宰治 「女類」
...遠からず彼女はそれに裏切られることになるのだ...
O. H. ダンバー O. H. Dunbar The Creative CAT 訳 「長い部屋」
...心理学的意識概念は、常識的な概念乃至用語のセンスによって、裏切られる...
戸坂潤 「イデオロギー概論」
...併しこの希望は実際には多くは裏切られるのを常とする...
戸坂潤 「イデオロギーの論理学」
...「味方から裏切られることなんかは...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...それにまたこれらの音楽会では期待が裏切られることはありません...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...いつも妻からは裏切られるが決して情婦からは欺かれることのないような男がいるものだが...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...すんでの事に太子に裏切られる所だつたのだ...
中島敦 「盈虚」
...そこへいま往ってみても決して裏切られるようなことはありません...
堀辰雄 「大和路・信濃路」
...――口先で云ふことを信じないといふ風な彼女は、いつか無言のうちに約してゐるといふやうなことについては深い確信を持つてゐて、裏切られると、その時こそは火になつて怒るのである……斯う解釈すると彼にも合点が入つた...
牧野信一 「小川の流れ」
...何者かに裏切られるやうな腹だゝしさに...
水野仙子 「脱殼」
...いかに美的鑑賞が進む日が来ても裏切られる場合は決してないでしょう...
柳宗悦 「民藝とは何か」
...どう裏切られるやもしれません」「塩屋ノ磯には...
吉川英治 「私本太平記」
...私の生まれつきのうぬぼれは製作によって裏切られる...
和辻哲郎 「生きること作ること」
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