...その劣等な生活内容を裏付けるに稀世の天才にのみ許される自信を以つてするチグハグな「自己肯定者」を見た...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...座蒲団を裏返してすすめ...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...臺所の大きい圍爐裏を挾んで話をしてゐる...
太宰治 「思ひ出」
...閉じた眼蓋の裏から...
中島敦 「プウルの傍で」
...養子の與茂吉に案内させて裏木戸の方に廻つて見ました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...野茨(のいばら)――栗の葉も白い葉裏をひるがえしておりましょう...
長谷川時雨 「平塚明子(らいてう)」
...ただしこれは公開の裁判の場合だけのことで裏には裏があるのだ...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「審判」
...これについてはもう少し詳しく述べて置かねばならぬ裏の事情があるので...
久生十蘭 「魔都」
...……へえエ、これまで、気づかんじゃったが、……」自分では見にくい、腕の裏のところ、また、よほど注意してみないとわからない小さな鱗の一枚に、お京は自分の名を刻みこんでいるのであった...
火野葦平 「花と龍」
...金五郎の予想を裏切った...
火野葦平 「花と龍」
...裏工作はうまく行っただろうな」女のかわいい顔が引きつった...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「くちなしの花」
...お互に垣一重の裏隣りにいて...
宮城道雄 「垣隣り」
...あれは民法と刑法の裏返しのひどい例を説明いたします...
宮本百合子 「幸福の建設」
......
三好達治 「山果集」
...絵襖には裏打ちの紙が幾種類か必要である、描いてあるのが紙本(しほん)の場合と絹本(けんぽん)の場合とで、薄美濃(うすみの)とか雁皮(がんぴ)などの、じかに貼る肌裏や、中裏、増裏など、それぞれ表に合った性質の紙を使わなければならないし、もちろん手漉(てす)きだから、同じ美濃でも粗密や薄手厚手があるし、紙の地にむらのないことも、大事な条件となる...
山本周五郎 「さぶ」
...すると蓆(むしろ)を織る機(はた)の音が家の裏のほうで聞えた...
吉川英治 「三国志」
...――翌朝、頼春と菊王が眼をさまして、裏庭の流れへ、朝の嗽(うが)いに出てゆくと、もう叢竹(そうちく)にかこまれた書院風の一室では、若い人々の気配にまじって、時親の笑い声もながれていた...
吉川英治 「私本太平記」
...長年めの裏切りはゆるしがたい...
吉川英治 「私本太平記」
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