...重い鎖につながれた俘囚は天井裏の鼠ほどの音も出すことが出来なかった...
海野十三 「俘囚」
...私達のは三階の裏側に当っています...
大阪圭吉 「デパートの絞刑吏」
...裏面から牽制して帰った...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...此方の裏門のところにはよく窕子の姿が見えた...
田山花袋 「道綱の母」
...三八窕子は裏の築地の出口のところに立つて...
田山花袋 「道綱の母」
...路地裏の寓居に来訪せらる...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...夜な夜な薬屋の裏手の竹垣には大きな穴がいくつもあいた...
中里介山 「大菩薩峠」
...人の性質には道徳的意味のほかに表裏あることを記憶せねばならぬと思う...
新渡戸稲造 「自警録」
...番頭さんが突き落したとは言やしない」平次の言葉の裏に潜(ひそ)む意味の恐ろしさに怯(おび)えたものか...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...吉原の構裏(かまえうら)であった...
長谷川時雨 「樋口一葉」
...その裏手の橡(とち)の林を突(つ)き抜けて行った...
堀辰雄 「美しい村」
...その米屋のやうに重い葛籠を担いだ私が縁家先の裏門から忍び出ると...
牧野信一 「心象風景(続篇)」
...ある日村の裏山から大きな声で「帰って来たぞ」と叫ぶ声がした...
柳田国男 「故郷七十年」
...二十年ちかい友情を裏切り...
山本周五郎 「はたし状」
...どうにでも取繕ったりごまかしたりすることができる……しかし言葉の裏にある本心はごまかせない...
山本周五郎 「夜明けの辻」
...自分を裏切った丹頂のお粂――お粂を奪ったとにらまれている相良金吾...
吉川英治 「江戸三国志」
...別荘の裏にあたる海の音が眠気を誘うような諧調をもって聞えてくる...
吉川英治 「かんかん虫は唄う」
...裏木戸を蹴飛ばすような騒々しい音と一緒にあの植木屋が大事件だ...
蘭郁二郎 「腐った蜉蝣」
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