...それを裁ち直すのだ...
伊東静雄 「わがひとに与ふる哀歌」
...赤幡(あかはた)を裁ち四...
稗田の阿礼、太の安万侶 「古事記」
...例えば紙の裁ち切った縁は一直線をなして...
丘浅次郎 「境界なき差別」
...夏きてまたも新らしく薄ら衣服(ごろも)を裁ちきれど...
薄田泣菫 「泣菫詩抄」
...また「裁ち逢わぬ衣は誰も着ぬものを...
高木敏雄 「比較神話学」
...あわてて自分のふところを裁ち割り...
太宰治 「春の盗賊」
...これらの沢山な衣裳の多くは突飛な裁ち方になっていましたから...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...お庄兄弟のためにも新しい春着が裁ち縫いされ...
徳田秋声 「足迹」
...そして親身(しんみ)になって着物の裁ち方や縫い方を教えた...
徳田秋声 「足迹」
...裁ち布をかき廻すのだった...
豊島与志雄 「女心の強ければ」
...ふぞくした繻絆でも、下布でも、みんな堅長、横長、角型であるから、たち屑も出ないが、裁ち、縫ふのが樂であると共に、着るのも樂だ...
長谷川時雨 「きもの」
...裁ち割りて見るに...
久生十蘭 「玉取物語」
...裁ちぎれは探せばありますよ...
ニコライ・ゴーゴリ 平井肇訳 「外套」
...年を取った女房たちが裁ち物などを夫人の座敷でしていた...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...新しい銘仙の裁ち切れが累ねられてあつた...
室生犀星 「蒼白き巣窟」
...その裁ち口をもう一度鋏で切り直して...
室生犀星 「神のない子」
...これを製本師に裁ち切られたものと想定して本文中に挿入しているが...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...「手が荒れているようだが」と終りに重太夫が作兵衛に訊いた、「そのほうでは娘に水仕事などをさせるのか」「家風でございまして」と作兵衛は答えた、「娘どもには芸ごとよりも、拭き掃除、炊事、裁ち縫いから、洗濯までさせるのが、しきたりでございます」重太夫の唇にうす笑いがうかんだ...
山本周五郎 「若き日の摂津守」
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