...「ヴィクトル」は袂時計(たもとどけい)の鎖をいらいだした...
イワン・ツルゲーネフ Ivan Turgenev 二葉亭四迷訳 「あいびき」
...客の前も憚(はば)からず常に袂時計(たもとどけい)を座蒲団(ざぶとん)の傍(わき)に置く癖(くせ)をもっていた...
夏目漱石 「硝子戸の中」
...袂時計(たもとどけい)を出して見ると...
夏目漱石 「草枕」
...真中(まんなか)に袂時計(たもとどけい)ほどな丸い肉が...
夏目漱石 「草枕」
...秒を刻む袂時計(たもとどけい)の音と錯綜(さくそう)して...
夏目漱石 「道草」
...手を延ばして彼の枕元から取った袂時計(たもとどけい)を眺めていた...
夏目漱石 「道草」
...赤い本と並んで例のごとくニッケルの袂時計(たもとどけい)が春に似合わぬ寒き色を放っている...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...添役(そえやく)が袂時計を見ながら...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...お添役の袂時計で十字(じ)五分(ふん)……御正門を出たのが十字十分……壱岐殿坂を下りきって二十五分……水道橋をわたりきって三十分……神保町かどが三十五分……三番原口から一ツ橋かかりが四十五分...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...これから金助町の叔父のところへ行って袂時計を借りだして来るから...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...叔父から袂時計を借りだして氷室のそばまで行くと...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...……ときに、氷見役人はなんと言った、なん刻に氷振舞がおわったと言った」敏捷(はしっこ)そうなのが進みでて、「……氷室をしまって詰所へひきあげたら、ちょうどお時計が十字半を打ったと申しておりました」「十字半……よし、わかった」袂時計を出して見ながら、「この袂時計で、いま、ちょうど三字五分前...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...この袂時計をあずけておくから...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
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