...猶隱遁生活の靜かなる歡喜を慕ふ心が屡其衷に動いた...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...看護員は実際その衷情(ちゅうじょう)を語るなるべし...
泉鏡花 「海城発電」
...長官はこの大會で相談的に融和折衷しようとするのだ...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...「和衷協同、さすがに厳粛な議会だった...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...何卒小生ノ微衷御諒察被下...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...何卒どうか私の衷情をお汲み下さるように願います...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...然り自分は衷心この月明に恥ぢ兄の屍に恥ぢねばならぬ」彼は大地に喝と唾を吐いた...
高濱虚子 「續俳諧師」
...さんざん悪口を言って来た僕の苦衷のほどを...
太宰治 「パンドラの匣」
...嶮(けわ)しい屋根や海緑色の石盤瓦茸小塔(せきばんかわらぶきことう)の聳(そび)え具合が仏蘭西(フランス)蘇格蘭(スコットランド)折衷式(せっちゅうしき)の城(シャトー)の様式なので...
チェスタートン Chesterton 直木三十五訳 「作男・ゴーの名誉」
...それからある限度まで相互に近づけたり折衷したり...
戸坂潤 「科学論」
...さすがの我も聊(いささ)か疲労しかつはまたこの上強(し)ひんには礼を失するに至らん事を虞(おそ)れせめてわが芝居道熱心の微衷(びちゅう)をだに開陳し置かばまた何かの折宿望を達するよすがにもなるべしと長々しき論文一篇を草しそつと玄関の敷台に差置きて立ち去りぬ...
永井荷風 「書かでもの記」
...折衷的な政治綱領を過渡的折衷的なそれとせず...
服部之総 「新撰組」
...予は衷心よりの悲哀の念をもって右の事由を諸官に布告し...
久生十蘭 「泡沫の記」
...……枯草ノ雨ニ逢ヒ轍鮒ノ水ヲ得タル幸運ニ際会スルコトヲ得テ本誌ハ為メニ蘇生シ今後続々出版スルコトヲ得ルニ至リ秋風蕭殺ノ境カラ急ニ春風駘蕩ノ場ニ転ジタ是レハ全ク中村先生ガ学術ニ忠実ニ情誼ニ厚ク且ツ仁侠ノ気ニ富ンデ居ラルヽノ致ス所デ私ハ同先生ニ向ツテ衷心カラ感謝ノ意ヲ表スルモノデアル……これは全く中村先生が学術に忠実で...
牧野富太郎 「牧野富太郎自叙伝」
...私は衷心、この説の誤聞であることを祈ってやまないが、それにしても彼が死んでからもう何年になることだろう...
正岡容 「艶色落語講談鑑賞」
...いつも対立をぼやかす折衷論ばっかり出すんだもの...
「海流」
...こじき根性と衷心において侮蔑を感じられてもしかたがあるまい...
宮本百合子 「鬼畜の言葉」
...つまり本人はその都度別の人間になって衷心からそう信じて云うから...
夢野久作 「鼻の表現」
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