...痩(や)せ衰えた体を横たえたまま...
芥川龍之介 「女」
...民族的宗教が衰えるにつれて巫道も衰えたのでありましょう...
伊波普猷 「ユタの歴史的研究」
...口ではいえません……兄はあかだらけの、ひげむしゃの、青ざめ衰えた、失恋の鬼と変り果てていました...
江戸川乱歩 「吸血鬼」
...これによつて衰えた道徳を正し...
稗田の阿禮、太の安萬侶 武田祐吉訳 「古事記」
...「仰せ言を仰ぎ待つていた間に多くの年月を經て容貌もやせ衰えたから...
稗田の阿禮、太の安萬侶 武田祐吉訳 「古事記」
...和尚は衰えた松の薬には酒がいいことを聞いていたが...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...病み衰えた娘御を連れて待っておられます...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...衰えたりといえども剣を取っては人を眼中に置かぬ竜之助...
中里介山 「大菩薩峠」
...お前は何者だ? この熱帯の白い道に痩(や)せ衰えた影を落して...
中島敦 「光と風と夢」
...可哀相に――そのヴァイオリンを痩せ衰えた手で撫でながら...
野村胡堂 「天才兄妹」
...数学の研究は一時は多少衰えたかと思われるけれど...
三上義夫 「文化史上より見たる日本の数学」
...病み衰えた勝三郎は終(つい)に男名取総員の和熟を見るに及ばずして東京を去った...
森鴎外 「渋江抽斎」
...「びん型」が早く衰えたのは惜しみてもなお余りあることですが...
柳宗悦 「沖縄の思い出」
...時代の下降につれて工藝が衰えた時...
柳宗悦 「工藝の道」
...追々衰えたりしも...
柳田国男 「年中行事覚書」
...その瘠せ衰えた髯だらけの恩人の姿を見た時に戸若は……ああ……済まない事をした……と思った...
夢野久作 「衝突心理」
...庭は館の四倍ほどの広さで一面の草の中に衰えた噴水と...
横光利一 「欧洲紀行」
...苦労で痩せ衰えた親虎の姿はひどく親家を動かしたので...
和辻哲郎 「鎖国」
便利!手書き漢字入力検索