...そして葉子に対する乗客の好奇心が衰え始めたころになって...
有島武郎 「或る女」
...行末は誰が家の令嬢貴夫人の襟を飾ったかも知れない駝鳥ボアが水にショボ湿れてピシャ/\になっていたのが老いすがれた美人の衰えを見るように哀れであった...
内田魯庵 「灰燼十万巻」
...しかも病勢が衰えるのを待ちかねて...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...これに敗(ま)ければやはり国は衰える...
丘浅次郎 「教育と迷信」
...其後調布町の耶蘇教が衰え会堂が不用になったので...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...また衰えた風体をしていたので...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...南国の陽が漸く衰えをみせたころ...
中村地平 「南方郵信」
...盛名はなおいぜんとして衰えなかったにもかかわらず...
浜尾四郎 「黄昏の告白」
...たゞ年をとって自然に衰えて死ぬのです...
ジョナサン・スイフト Jonathan Swift 原民喜訳 「ガリバー旅行記」
...だんだん衰え出した火力が私達の身体を知らず識(し)らず互いに近よらせ出していた...
堀辰雄 「楡の家」
...それで又私はあんまりお前からくらべると正直だったもの」やせてめっきり衰えたまだ若い男は毎日毎日来ては女の手につかまって居た...
宮本百合子 「お女郎蜘蛛」
...いつの間にか鱗のいろさえ衰えかけていたが...
室生犀星 「寂しき魚」
...なぜ健康が衰え用に堪えなくなったか...
柳宗悦 「工藝の道」
...故に公の制度としては斎女の風は夙(つと)に衰えたけれども...
柳田国男 「山の人生」
...私は見違えるほど痩せ衰えた自分の顔を洗面所の鏡の中に覗いてみた...
夢野久作 「冥土行進曲」
...瘠せ衰えた彼の妻と...
夢野久作 「老巡査」
...いま漢室の衰えるを見るや...
吉川英治 「三国志」
...その衰え方を誰もが眸にいたましく描いてみるのであった...
吉川英治 「親鸞」
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