...手だけは毎日石鹸で洗っている こう云う調子に衰えてきた 此割合で推してゆけば結局の事もちゃんとわかる...
伊藤左千夫 「根岸庵訪問の記」
...なぜ世人は直ぐ衰えるのか人間は百二十五歳までの寿命をもっておるというのが我輩予(かね)ての説である...
大隈重信 「我輩は何故いつまでもすべてに於て衰えぬか」
...その頃からそろそろ中心が分裂しはじめ正午頃には新潟附近で三つくらいの中心に分れてしまって次第に勢力が衰えて行ったのであった...
寺田寅彦 「颱風雑俎」
...大変悩み衰えているらしく...
コナン・ドイル 三上於莵吉訳 「暗号舞踏人の謎」
...しかしその義人の力はまだ衰えておらぬから...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...嘗(かつ)ての痩せ衰えた・空咳をする・おどおどと畏れ惑(まど)う・哀れな小心者ではなかった...
中島敦 「南島譚」
...生命の衰えがはっきり見えるのは...
中谷宇吉郎 「ジストマ退治の話」
...その後エジプトの宗教は衰え...
野上豊一郎 「処女の木とアブ・サルガ」
...またたちまちこれを衰えしむること...
福沢諭吉 「政事と教育と分離すべし」
...それが衰えるや否や...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...新劇のハクライ趣味はこれからも衰えることは無いであろうが...
三好十郎 「恐怖の季節」
...美しい声の持ち主であった呂昇も年にはかてず、声は衰え、一番弟子には背かれ、その上心臓が弱り、引退後は今村先生を除いては誰ひとり訪れる人もなく、多くの芸人の末路がそうであるように、ほんとうに淋しく死んで行ったのである...
武者金吉 「地震なまず」
...乳母(めのと)も明石へ立って行ったころの衰えた顔はなくなって美しい女になっている...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...哲学者アルケシラウスの老い衰えた力をおし殺した...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...「びん型」が早く衰えたのは惜しみてもなお余りあることですが...
柳宗悦 「沖縄の思い出」
...一旦起こりかけた粉屋(こなや)という専門業が早く衰えてしまい...
柳田国男 「木綿以前の事」
...炎漢(えんかん)の気すでに衰え...
吉川英治 「三国志」
...講誦弦歌して衰えず...
和辻哲郎 「孔子」
便利!手書き漢字入力検索