...幽(かす)かな電燈の火影(ほかげ)が表の間の襖ごしに洩(も)れてくるほかは真暗である...
近松秋江 「黒髪」
...奥と表の間の廊下の御鈴口という所で出逢うのである...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...表の間へ出て来た...
直木三十五 「南国太平記」
...表の間へ、上って、踏み込もうとした二三人の手先が、立止まって「御用」と、叫びつつ、身構えた...
直木三十五 「南国太平記」
...二人は、表の間へ出て、その隅の、暗いところへ立って「もし、深雪さんが、行っちまった後なら、益満さんが、小藤次の家へ、忍び込んで、盗み出そうてんだ...
直木三十五 「南国太平記」
...表の間の税務官吏の話をきれぎれに耳にはさみながら...
林芙美子 「屋久島紀行」
...表の間の税務官吏の部屋は酒宴でも始つたのか賑かである...
林芙美子 「屋久島紀行」
...表の間は船頭溜り...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...そこの表の間にいた五六人の藩士たちを...
本庄陸男 「石狩川」
...人気のない表の間がさむざむと見えた...
本庄陸男 「石狩川」
...表の間の天井のまん中からは...
槇本楠郎 「仔猫の裁判」
...」表の間の窓際に立つたコドモ委員の一人が...
槇本楠郎 「仔猫の裁判」
...元の表の間との間の中庭には岩を入れ...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...入表の間切は畠方(はたけがた)の五石(こく)八斗(と)に対して...
柳田国男 「海上の道」
...家々の表の間には神棚といって...
柳田国男 「年中行事覚書」
...ツト立って表の間へ...
山中貞雄 「中村仲蔵」
...表の間に待てとは...
吉川英治 「親鸞」
...お表の間(ま)へ退って...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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