...思わず着かえかけた着物の衣紋(えもん)に左手をかけたまま...
有島武郎 「或る女」
...葉子は黙って医員にちょっと挨拶(あいさつ)したまま衣紋(えもん)をつくろってすぐ座を立った...
有島武郎 「或る女」
...衣紋の位に年長(た)けて...
泉鏡花 「歌行燈」
...衣紋(えもん)つきを映した時...
泉鏡花 「婦系図」
...……湯上りの上、昼間歩行(ある)き廻った疲れが出た菅子は、髪も衣紋も、帯も姿も萎(な)えたようで、顔だけは、ほんのりした――麦酒(ビイル)は苦くて嫌い、と葡萄酒を硝子杯(コップ)に二ツばかりの――酔(えい)さえ醒めず、黒目は大きく睫毛(まつげ)が開いて、艶やかに湿(うるお)って、唇の紅(くれない)が濡れ輝く...
泉鏡花 「婦系図」
...引緊(ひきしま)った白の衣紋着(えもんつき)...
泉鏡花 「婦系図」
...衣紋(えもん)も褄(つま)も整然(きちん)とした...
泉鏡花 「開扉一妖帖」
...その上に衣紋瀧あり...
大町桂月 「阿武隈川水源の仙境」
...ませたぬき衣紋(えもん)の変わった姿とはいえ...
壺井栄 「二十四の瞳」
...腰にさすと変に興奮した体で衣紋掛けの羽織を取つて引つかけた...
長與善郎 「青銅の基督」
...我乍ら髪も衣紋も滅茶滅茶...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...平次はそれから衣紋坂へ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...滅茶滅茶に衣紋も崩れて...
野村胡堂 「礫心中」
...自まんも恐ろしき胴間声(どうまごゑ)に霞(かすみ)の衣(ころも)衣紋坂(ゑもんざか)と気取るもあり...
樋口一葉 「にごりえ」
...母親の物言ふ度にぴよこぴよこ頭を下げ「立ちかはつたる機嫌にぐんにやり」にて頭をかき衣紋(えもん)を壊して...
三木竹二 「いがみの権太」
...衣紋(えもん)を繕(つくろ)ひ珠数(じゅず)を爪繰(つまぐ)りつゝ...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...衣紋(えもん)よ...
吉川英治 「新書太閤記」
...自分たちの衣紋や膝も...
吉川英治 「宮本武蔵」
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