...迸る様に鋭く動悸が心臓を衝くのを感じた...
有島武郎 「かんかん虫」
...笈摺岩、右に天を衝く...
大町桂月 「上州沼田より日光へ」
...肴屋(さかなや)も果物屋(くだものや)も酢屋もまたごみ溜(ため)の匂いも交って鼻を衝く...
高浜虚子 「俳句への道」
...たらたらと流れるわる赤い血――時としては人血も混じて――の池がむっと照り返って眼と鼻を衝く...
谷譲次 「踊る地平線」
...日比谷の四辻まで来ると公園の共同便所から発散する悪臭が人の鼻を衝く...
永井荷風 「帝国劇場のオペラ」
...紛(ぷん)と好(い)い匂(におい)が鼻を衝く...
二葉亭四迷 「平凡」
...「恋に焦れて悶ふるやうに――恋に焦れて悶ふるやうに――」本箱の中のオルゴウルが、アウエルバツハの酒場の歌を奏しはじめたりするのであるが、傾ける耳などを持ち合す筈もなく私は、全く毒を嚥んだ鼠に等しく七転八倒、正しく恋に焦れて悶ふるやうに狂ひ回つた上句、鎧櫃の在所を手探り求めると、夢中で、重い兜を頭に載せ、鎧を身につけ、そして黒い鉄の面あての中に顔を埋めて、吐息を衝くと、はじめて我身の生きてゐたことに微かな知覚を持つのであつた...
牧野信一 「鬼の門」
...水面に首垂れて深い吐息を衝くと...
牧野信一 「バラルダ物語」
...薄荷のような匂いの鼻を衝くそのお酒をいっぺんに飲み干してしまうと今松...
正岡容 「寄席」
...力新時代をここに打っ立てる歓喜の声彼等の暴虐のとりでを衝く声...
松本淳三 「労働祭歌(※[#ローマ数字1、1-13-21])」
...遠慮無く讀者の鼻を衝くであらう...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...岩石屹立して古松千尋天を衝く...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...ほつと息を衝く事が出来るだらうか...
コロレンコ Vladimir Galaktionovick Korolenko 森林太郎訳 「樺太脱獄記」
...女は嘘を衝く...
森鴎外 「雁」
...奥さんに嘘を衝く位ですから...
森鴎外 「雁」
...左の肘を衝く...
森鴎外 「金貨」
...虚を衝くためにであった...
吉川英治 「上杉謙信」
...樊城(はんじょう)の留守を衝くことだ...
吉川英治 「三国志」
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