...われわれは南から同時に衝く...
海野十三 「浮かぶ飛行島」
...畑の横の石礫(いしころ)道を過ぎて胸を衝くような急坂を登り...
橘外男 「仁王門」
...たらたらと流れるわる赤い血――時としては人血も混じて――の池がむっと照り返って眼と鼻を衝く...
谷譲次 「踊る地平線」
...何かしらはっと胸を衝くものがあったことも否(いな)めなかった...
谷崎潤一郎 「細雪」
...トンと印東の胸を衝く...
久生十蘭 「魔都」
...立止つては凝つと顔を見合はせて吐息を衝くばかりで...
牧野信一 「繰舟で往く家」
...がつくり首垂れて吐息を衝くと...
牧野信一 「早春のひところ」
...達者な時ならば鬼柳の宿場で一息衝くと...
牧野信一 「剥製」
...息を衝く間もなく水を駈け渉つて...
牧野信一 「夜見の巻」
...痛々しく小衝くやうにも思はれ...
室生犀星 「蒼白き巣窟」
...左の肘を衝く...
森鴎外 「金貨」
...度々目を醒まして溜息を衝く...
森鴎外 「最後の一句」
...この妙に牽きつけるものの中に衝くものの混る気具合も...
横光利一 「旅愁」
...多少は彼の条件を容れても、ここはじっとご自重あって対策を他日に期して和睦(わぼく)をお求めあることが万全であろうと考えられますが」「貴公もそう思うか」「勢いの旺なるものへ、あえて当って砕けるのは愚の骨頂です」「旺勢は避けて、弱体を衝く...
吉川英治 「三国志」
...樊城(はんじょう)の留守を衝くことだ...
吉川英治 「三国志」
...それを知ってわざと不意を衝くようにも思われた...
吉川英治 「新書太閤記」
...何か胸を衝くような慈悲大愛の温かい息がこもっていた...
吉川英治 「親鸞」
...人数の多数からおのずとわきあがる意気は天をも衝くように見えた...
吉川英治 「宮本武蔵」
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