...我父と呼び得可き日の曉の心――心を衝きて湧き來る無限の力と...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...そして危くむこうからも急ぎ足で来る人――使い走りをするらしい穢(きた)ない身なりの女だったが――に衝きあたろうとして...
有島武郎 「星座」
...ナポレオン当時の人々は中々この真相を衝き難く...
石原莞爾 「戦争史大観」
...衝(つ)きあたったら悪いじゃないか」「衝きあたらないように行けばいいのよ...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...農舎の中は悪臭鼻を衝き...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「妻」
...むつと怒気が衝き上つて来た...
北條民雄 「道化芝居」
...吐息を衝きながら森の彼方を視詰めた...
牧野信一 「繰舟で往く家」
...もう来るころと待っていて若干(いくらか)祝儀を出すとまたワッショウワッショウと温和(おとな)しく引き上げて行くがいつの祭りの時だったかお隣の大竹さんでは心付けが少ないと言うので神輿の先棒で板塀を滅茶滅茶(めちゃめちゃ)に衝き破られたことがあったのを...
水上滝太郎 「山の手の子」
...左折して衝き当れば...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...膳を前へ衝き出した...
森鴎外 「雁」
...お前は残酷にも己を不慥(ふたし)かな人間の運命の圏内に衝き戻したな...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...その神聖な杖を衝き立てて貰おう...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...それが何處から來たかを衝き止めようとしてゐる...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...横槍を衝き入れるのが武田信玄なのであった...
吉川英治 「篝火の女」
...千浪は胸の底から衝き上げるような声で...
吉川英治 「剣難女難」
...もしお聞き入れ下されば、このたび諸葛丞相が長安へ攻め入るとき、自分は新城、上庸(じょうよう)、金城の勢をあつめて、直ちに、洛陽を衝き、不日に魏国全土を崩壊させてお見せする...
吉川英治 「三国志」
...彼は何かに衝きのめされていた...
吉川英治 「私本太平記」
...衝きあげられる感傷がかくせなかった...
吉川英治 「私本太平記」
便利!手書き漢字入力検索