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武田祐吉 「古事記」
...半眼で見て居ると其の時の剣幕(けんまく)と云ったらない、怒髪天井を衝き、眼中血走り、後手に出刃庖丁を握って居ないばかりだ...
谷崎潤一郎 「The Affair of Two Watches」
...第一関を衝き破らなければ第二関に到り得ないのだ...
種田山頭火 「其中日記」
...なにかグイとしたものが胸の奥から衝きあげて...
久生十蘭 「生霊」
...誰しも屡々吐息を衝きがちなものであるが――わたしは...
牧野信一 「好日の記」
...さうかと思ふと失敗を悟つた学生が試験場を飛び出して来たかのやうに頭髪を掻きりながら――或ひは蟹の呟きを思はせる低い自嘲の溜息を衝きながら――木兎の眼に微かな涙を湛えながら――...
牧野信一 「籔のほとり」
...または溜息を衝き...
牧野信一 「余話(秘められた箱)」
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室生犀星 「愛の詩集」
...図図しく衝き込んでゆくのが癖であった...
室生犀星 「性に眼覚める頃」
...意に満たないものは衝き放し...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...」「蹴爪衝きやあそそつかしいのだ...
森林太郎 「身上話」
...賊の予測しない所から不意に衝きくずせば...
吉川英治 「三国志」
...衝きあげられる感傷がかくせなかった...
吉川英治 「私本太平記」
...「しまった」能登は衝きあげられたように...
吉川英治 「私本太平記」
...仔細(しさい)は、跡部大炊(おおい)から聞くがよい――このたびこそはきっと、岡崎の城を手に入れ、浜松を衝き、積年の望みを遂げてみせる...
吉川英治 「新書太閤記」
...なお混沌たる暴風期を衝き抜けなければならない...
吉川英治 「宮本武蔵」
...科学の道に入れば彼は自然と人生とに現われた微妙な法則に驚異してある知られざる力に衝き当たらずにはいられない...
和辻哲郎 「『偶像再興』序言」
...」(do. S. 231.)これによって見ればコロンブスを衝き動かしていたものがマルコ・ポーロ以来の東方への衝動にほかならぬことはまことに明白である...
和辻哲郎 「鎖国」
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