...「個體」に關する漠然たる直覺に觸發されて「普遍」の中に衝き進む努力とは全然相異る方向である...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...そして真中の肢の先きでその小さな球は離してそれを底の方に衝き込む...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...これまで夫としていた男に衝き合せずに置いて貰う事にした...
オイレンベルク Herbert Eulenberg 森鴎外訳 「女の決闘」
...ここにその御杖を新羅(しらぎ)の國主(こにきし)の門(かなと)に衝き立てたまひ...
稗田の阿礼、太の安万侶 「古事記」
...後ろを見れば、巨巖天を衝きて、それの頂にも、姫小松生ひたり...
大町桂月 「十和田湖」
...穩臥靜養して行かずやと云へば、宿屋よりは自家がとて、まだ子供氣の家が戀しく、大雨を衝き、尻に帆かけて、逃ぐるが如くに立ち出づ...
大町桂月 「北條より一ノ宮へ」
......
武田祐吉 「古事記」
...息も詰まらんばかりの憎しみと激怒とが私の脳天に衝き上げてきた...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...このごたくさのあいだに衝きあたった石船のほうは...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...なにかグイとしたものが胸の奥から衝きあげて...
久生十蘭 「生霊」
...救はれざる不満の吐息を衝きがちなのである...
牧野信一 「痩身記」
...その時第三の馬また脱け出で首尾を揚げ衝き当り廻る...
南方熊楠 「十二支考」
...それを衝き止めたいとも思つてゐたのです...
室生犀星 「蒼白き巣窟」
...お前は残酷にも己を不慥(ふたし)かな人間の運命の圏内に衝き戻したな...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...寒烈な曉闇を衝き進む氣もちは...
吉川英治 「折々の記」
...彼は何かに衝きのめされていた...
吉川英治 「私本太平記」
...物に衝き当った蝙蝠(こうもり)のように...
吉川英治 「夕顔の門」
...科学の道に入れば彼は自然と人生とに現われた微妙な法則に驚異してある知られざる力に衝き当たらずにはいられない...
和辻哲郎 「『偶像再興』序言」
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