...俺は衒ふ者、僞る者、驕慢な者に對して憤激する...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...殊に江戸文化の爛熟した幕末の富有の町家は大抵文雅風流を衒(てら)って下手(へた)な発句の一つも捻(ひね)くり拙(まず)い画の一枚も描けば直ぐ得意になって本職を気取るものもあった...
内田魯庵 「淡島椿岳」
...衒(てら)ったり...
高浜虚子 「俳句への道」
...両者の衒学的区別は批難されねばならないであろう...
戸坂潤 「科学方法論」
...彼れの言行には、一點の衒耀なく、夸張なく、文采の燦爛たるものなく、活氣の飛動せるものなく、常に克己、自制、規律を以て鍛錬せられたる軍人氣質の標本たりき...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...無邪気な衒学(げんがく)心...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...「わざと衒っているのじゃないかしら...
豊島与志雄 「変な男」
...多少の衒気(げんき)と...
中里介山 「大菩薩峠」
...女衒(ぜげん)と...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...衒学的に眉を顰めて...
牧野信一 「鏡地獄」
...当節衒(かたり)がはやるから...
三木竹二 「いがみの権太」
...衒技求售...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...人は衒(てら)いと高ぶりなくとも賢者たることを得べし(セネカ)...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...いわゆるインチキな衒学者をこき下すこと実に痛快をきわめながら...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...彼れは其学識を衒(てら)ひて...
山路愛山 「明治文学史」
...そのときの痕がまだここに痣(あざ)になって残っててよ」四女衒(ぜげん)の手から手へ渡って...
山本周五郎 「風流太平記」
...又は新智識を衒(てら)って雑誌や新聞の受け売りを吹く...
夢野久作 「東京人の堕落時代」
...世上の聞えにも衒気(げんき)を抱くのが青年の常なのに――何となされたことかと...
吉川英治 「新書太閤記」
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