...「行路病者」が家に帰りたがっているようだ...
...彼は行路病者として旅を続けた...
...行路病者のために休憩ポイントが設けられている...
...一人で旅をすることが多いから、友人には行路病者だと思われることがある...
...行路病者の方々には、安全に旅を続けられるように注意点が案内される...
...行路病者のごとく...
泉鏡花 「開扉一妖帖」
...午後一時のラジオで「行路病者(こうろびょうしゃ)」の仲間に入れて放送もしたのであるが...
海野十三 「赤外線男」
...女の行路病者が担込(かつぎこ)まれて来た...
武田麟太郎 「釜ヶ崎」
...女房を行路病者にしたてたと云ふわけであつた...
武田麟太郎 「釜ヶ崎」
...私自身さえ行路病者だ...
太宰治 「春の盗賊」
...行路病者の如(ごと)く倒れているのであった...
谷崎潤一郎 「細雪」
...今日のはまるで行路病者(こうろびょうしゃ)のそれのやうな...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のをんな」
...持込場のない行路病者にしてみたところが...
中里介山 「大菩薩峠」
...聖(サント)マルグリートは行路病者や救貧院の引取人のない死体を投込みにする第三級墓地で...
久生十蘭 「カストリ侯実録」
...行路病者の手続きをしなくてはならないので...
久生十蘭 「肌色の月」
...行路病者の扱いになるので……秋元 行路病者? そんな無礼な……かつ 根岸台のガレージからフォードを盗みだした...
久生十蘭 「喪服」
...もう自分はそれらの行路病者と同一の姿で映っているに違いないと思われて来て...
北條民雄 「いのちの初夜」
...手錠を箝(は)められた囚人や其を護送する劍を光らせる巡査や、または肥馬に跨(またが)ツた聯隊長や、其の馬の尻にくツついて行く馬丁や、犬に乘つた猿や、其の犬を追立(おツた)てて行く猿(さるまはし)や、それからまた妄(やたら)と鞭(むち)で痩馬をひツぱたくがたくり馬車の馭者(ぎよしや)や、ボロ靴で泥を刎上(はねあ)げて行く一隊の兵卒や、其の兵隊を誘致して行くえらさうな士官や、犬を嗾(けし)かけながら犬の先になツて走る腕白小僧や、或は行路病者、國巡禮、乞食僧侶、或はまた癩病患者、癲疳持(てんかんもち)、狂人(きちがひ)、鼻ツかけ、眼ツパ、跛(びツこ)、蹇(ゐざり)、または藝者や素敵な美人や家鴨(あひる)……引ツ括(くる)めていふと、其等の種々の人や動物や出來事が、チラリ、ホラリと眼に映ツてそして消えた...
三島霜川 「解剖室」
...行路病者として運びこまれた乞食の臨終に立ちあった彼女は...
宮本百合子 「生きるための協力者」
...例エバ役行者(えんのぎょうじゃ)、阿部晴明(あべのせいめい)、弘法大師等ノ密教、陰陽術ノ流(ながれ)ヲ伝ウル者、真言秘密ノ行者、修験者(よげんじゃ)、祈祷師、代人、巫女(みこ)、ソノ他、何々教、何々様ト称スル神仏類似ノモノニ奉仕スル輩ノ中ニハ、積年ノ経験ヨリ得タル一種ノ精神科学的ノ暗示法ヲ口伝(くでん)心伝シオリ、コレヲ理智、理性ノ発達不充分ナル女子、小児、モシクハ無智、蒙昧(もうまい)ナル男子等ニ応用シテ、ソノ精神作用ニ何等カノ変化、傷害ヲ与エツツ、利得ヲ恣(ほしいまま)ニセシ形跡アリ、即チ、古来伝ウルトコロノ「狐ヲ使ウ」「真言秘密ノ呪法(じゅほう)ニカケル」又ハ「生霊、死霊ヲ憑(つ)ケル」「神罰、仏罰ヲ当テル」等ノ霊験、神業(かみわざ)、行力(ぎょうりき)等ニ類似シタル所業ハ、精神科学ノ立場ヨリ見ルモ絶対不可能ノ事ニ非(あら)ザレバナリ、ソノ高等ナルモノニ到リテハ、催眠術、心霊術、降神術等ノ技術者ガ、文明社会ノ裏面ニ於テ異常ナル勢力ヲ保有シオリ、玄怪ニシテ捕捉シ難キ犯罪事件ノ裏面ニ往々ニシテコノ種ノ技術ノ活躍セル証拠ヲ見ルトキハ、ソノ全部ガ理智的詐術ナリトハ断ジ難(かた)キモノアリ――――現今、我国内ニ於テモ、到ル処ノ精神病院、行路病者収容所、又ハ街頭ヲ彷徨(ほうこう)スル精神異常者ノ中ニ、カカル犯罪行為ノ犠牲者ガ存在シオラズトハ断言シ難シ、唯(ただ)、コレヲ合理的ニ探査追求シテ、犯人ヲ検挙スル事ガ、目下ノトコロ、殆ンド不可能ナルガタメニ、実例トシテ列挙シ難キノミ...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...行路病者なぞの各種類に亘っておりまして...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...行路病者の生きた肉へも...
吉川英治 「宮本武蔵」
...それは名もなき行路病者の墓を聯想させた...
吉田絃二郎 「八月の霧島」
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