...細君の不行跡(ふぎょうせき)に対する...
江戸川乱歩 「お勢登場」
...なにか奥様に不行跡があっての御離縁ではあるまいかなぞと申しますが...
大阪圭吉 「幽霊妻」
...みだらな不行跡な振る舞は安息日を涜(けが)すものだといふので...
薄田泣菫 「茶話」
...あまりな不行跡に呆(あき)れてしまって...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...さらに不行跡な夫からは虐待(ぎゃくたい)されているにもかかわらず...
デフォー Daniel Defoe 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
...お雪ちゃんも同様の行跡を猶予することを許されません...
中里介山 「大菩薩峠」
...平生から倅(せがれ)の行跡(ぎやうせき)の良くないのを苦に病んでゐたのみならず...
夏目漱石 「それから」
...ばあやにゝらまれこそ/\と出行跡(いでゆきしあと)...
長谷川時雨 「うづみ火」
...人間の行跡としては...
久生十蘭 「南極記」
...苟(いやしく)も内を治むる内君にして夫の不行跡を制止すること能わざるは...
福沢諭吉 「新女大学」
...西町奉行堀に分れて入城した東町奉行跡部は...
森鴎外 「大塩平八郎」
...三月六日に優善は「身持(みもち)不行跡不埒(ふらち)」の廉(かど)を以て隠居を命ぜられ...
森鴎外 「渋江抽斎」
...余は貧乏だ貧乏だと嘆いておられること」(ここで殿にはえへんと咳をなされた)「そのためときに御領主としてふさわしからぬ御行跡のあること...
山本周五郎 「思い違い物語」
...いろいろ眼にあまる行跡が多いにもかかわらず...
山本周五郎 「古今集巻之五」
...不行跡とか職務上の失策などのあった者で...
山本周五郎 「ちくしょう谷」
...彼女は恐ろしい男喰いとしか思えない――彼女は自分の不行跡を蔽い隠すために享楽団を作っているのだ――享楽団員は彼女のお下りを頂戴して...
夢野久作 「東京人の堕落時代」
...息子の不行跡は、当然、父たる者の家事不取締りということになる...
吉川英治 「松のや露八」
...冷ややかに主(あるじ)の行跡を白眼視しているかのように僻(ひが)まれた...
吉川英治 「柳生月影抄」
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