...京都の公卿伯爵の公達(きんだち)鍋小路(なべこうぢ)行平(ゆきひら)――斯ういふ人達だよ...
内田魯庵 「犬物語」
...之はいつぞや行平君が自慢らしく家系を嬢様に物語られたのを傍で聞いてゐたのだ...
内田魯庵 「犬物語」
...行平どのは根が公卿育ちの芋の煮えたも御存じなきノホヽンだから今度は御自身毎日車に召して深草の百夜(もゝよ)通ひも物かはと中々な御熱心であつた...
内田魯庵 「犬物語」
...行平殿は頭を撫でつゝ麿が家には矢大臣左大臣どのの歌集の外には何も無いが一つ同族を聞き合して見やうと...
内田魯庵 「犬物語」
...お銀が勝手の方でといで来た米を入れた行平(ゆきひら)を火鉢にかけて...
徳田秋声 「黴」
...そして、その上には、紺紙金泥に、金襴の表装をした経巻一巻と、遺書を包んだ袱紗(ふくさ)とが、置かれ、その机と、枕との間には、豊後国行平作の、大脇差が、堆朱(ついしゅ)の刀掛けに、掛かっていた...
直木三十五 「南国太平記」
...『あはれ古へを思ひ出づればなつかしや行平の中納言...
野口米次郎 「能楽論」
...これもよく蒸れるように厚い鉄の深い鍋かあるいは重い土鍋の行平(ゆきひら)がよく出来ます...
村井弦斎 「食道楽」
...隠栖(いんせい)の場所は行平(ゆきひら)が「藻塩(もしほ)垂(た)れつつ侘(わ)ぶと答へよ」と歌って住んでいた所に近くて...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...須磨の関も越えるほどの秋の波が立つと行平(ゆきひら)が歌った波の音が...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...あるいは土鍋(どなべ)や行平(ゆきひら)や石皿(いしざら)や湯婆(ゆたんぽ)...
柳宗悦 「工藝の道」
...行平(ゆきひら)などは...
柳宗悦 「手仕事の日本」
...筑前の野間(のま)の皿山で盛(さかん)に作る行平(ゆきひら)は...
柳宗悦 「手仕事の日本」
...ぜひとも松の木を点出しようとする古臭い行平(ゆきひら)式を憎むのである...
柳田国男 「雪国の春」
...「松の行平(ゆきひら)はまことに有難う御座いました」と翁に会釈したという...
夢野久作 「梅津只圓翁伝」
...京都にある河辺(かわべの)庄司行平から早打ちが到着した...
吉川英治 「源頼朝」
...行平は、下総(しもうさ)の住人だが、ちょうど在京中であったので、頼朝に、この急を告げることができたのである...
吉川英治 「源頼朝」
...肩を落しながら刎(は)ね上げた行平(ゆきひら)の切先もまた...
吉川英治 「宮本武蔵」
便利!手書き漢字入力検索