...ただ葉子の目の前をうるさく行ったり来たりする黒い影のようなものがあった...
有島武郎 「或る女」
...地下室の中を二―三度行ったり来たりすると...
江戸川乱歩 「怪人二十面相」
...そわそわと行ったり来たりする...
田畑修一郎 「石ころ路」
...私は静かな落着いた心持でそこらをいそがしそうに行ったり来たりする人だちを眺めた...
田山花袋 「日本橋附近」
...これから先も永い間そのために折々フランスとイギリスとの間を行ったり来たりすることになるかもしれない...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...おかしな声を出しながら狭い縁側を何遍でも行ったり来たりする...
寺田寅彦 「イタリア人」
...ドイツ士官が若いコケットと腕を組んで自分らの前を行ったり来たりする...
寺田寅彦 「旅日記から(明治四十二年)」
...行ったり来たりするんだから...
徳田秋声 「足迹」
...お客同士の気分で行ったり来たりする分に...
中里介山 「大菩薩峠」
...そうでしょ? 私はそこいらに漂っている善良な精霊のように行ったり来たりする...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...手を振りながらヒョイヒョイと行ったり来たりするのを見たなんていうものがありまして...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...部屋をせかせか行ったり来たりする有様はまるでグラスゴウ部長がいないかのようだ...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「諜報部」
...もう何べんも行ったり来たりするもんですから...
宮沢賢治 「風の又三郎」
...行ったり来たりするたくさんの自動車に...
宮沢賢治 「グスコーブドリの伝記」
...もう何べんも行ったり来たりするもんだから...
宮沢賢治 「さいかち淵」
...三人ともだまったまんま木の間を行ったり来たりするうちに一番川に近い方に居る第二の精霊がとっぴょうしもない調子で叫ぶ...
宮本百合子 「葦笛(一幕)」
...二三度左手を帯にはさんで行ったり来たりすると...
宮本百合子 「後庭」
...忙(せ)わしなく行ったり来たりする炭車の間を縫いながらユックリユックリした足取りで坑口まで運び出して来るのであるが...
夢野久作 「斜坑」
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