...」と行く春や、主税はそれさえ心細そうに見送って、先生の目から面(おもて)を背ける...
泉鏡花 「婦系図」
...しみ/″\と行く春のさびしさを味ふのは寧ろ快いが...
相馬御風 「獨愁」
...紅梅の京を離れて住むは厭(い)や二月二十五日 「玉藻十句集(第二十五回)」春雲(しゅんうん)は棚曳(たなび)き機婦は織り止(や)めずそこを行く春の雲あり手を上げぬ緑竹(りょくちく)の下やそゞろに青む草三月四日 句謡会...
高浜虚子 「五百五十句」
......
高浜虚子 「俳句への道」
...藤房(ふじぶさ)の垂(た)れて小暗(おぐら)き産屋(うぶや)かな君とわれ惜春の情なしとせずふたりづつ/\行く春の塵五月二日 金沢あらうみ海会員大挙上京...
高浜虚子 「六百句」
...……曇れば波立つ行く春の海の憂欝島をばらまいて海は夏めくいちにち日向でひとりの仕事柊屋(澄太居)よい眼ざめの雀のおしやべり風は初夏の...
種田山頭火 「松山日記」
...行く春は暮れる...
夏目漱石 「虞美人草」
...梅から櫻へ移り行く春の風物を眺めて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...例えば春の句で遅き日のつもりて遠き昔かな春雨や小磯(こいそ)の小貝ぬるるほど行く春や逡巡(しゅんじゅん)として遅桜(おそざくら)歩行歩行(ありきありき)もの思ふ春の行衛(ゆくえ)かな菜の花や月は東に日は西に春風や堤(つつみ)長うして家遠し行く春やおもたき琵琶(びわ)の抱(だき)ごころ等の句境は...
萩原朔太郎 「郷愁の詩人 与謝蕪村」
...今日のみの春を歩いて仕舞(しまい)けり歩行歩行(ありきありき)もの思ふ春の行衛(ゆくえ)かなまだ長うなる日に春の限りかな花に寝て我(わが)家遠き野道かな行く春や重たき琵琶(びわ)の抱(だき)ごころ春の夜や盥(たらい)を捨る町はづれ生(なま)暖かく...
萩原朔太郎 「郷愁の詩人 与謝蕪村」
...行く春や逡巡として遅桜(おそざくら)「逡巡(しゅんじゅん)」という漢語を奇警(きけい)に使って...
萩原朔太郎 「郷愁の詩人 与謝蕪村」
...暮れ行く春を惜んだとのことである...
原勝郎 「東山時代における一縉紳の生活」
...ましてそれは心の動き易い行く春のこととてなほさらである...
平野萬里 「晶子鑑賞」
......
正岡子規 「墨汁一滴」
...はははは』試されたお妃行く春となっても“記念結婚ブーム”はつづく...
吉川英治 「美しい日本の歴史」
...落花と倶(とも)に行く春の移りも早く...
吉川英治 「新書太閤記」
...白々と行く春の寂寥(せきりょう)だけがそこにあった...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...惜しむ行く春の斑(ふ)にしらじらと彩(いろど)った...
吉川英治 「宮本武蔵」
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