...葉子はその言葉によってまっ暗な行く手を明らかに示されたようにも思った...
有島武郎 「或る女」
...放れ馬が行く手に走り出て道のまん中にたちふさがって鳴きました...
ストリンドベルヒ August Strindberg 有島武郎訳 「真夏の夢」
...人は忽ち小さな自分を脱して無限の同情のある優しい力を與へられ靄に包まれて見え無い行く手に身をまかせてスタ/\歩いて行けば不思議のやうに靄は薄れて行きところまだらに空に現はれ...
千家元麿 「自分は見た」
...私たちの行く手をさえぎっています...
太宰治 「斜陽」
...行く手の道も眼に見えぬような気がしました...
谷崎潤一郎 「三人法師」
...僕たちの行く手にはどこにも...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...乗物はずんずんと離れて進んで、すすき野原の中へ、見えつ、隠れつ、行く手は大和、河内の山、そこへ没入してしまうげに見える...
中里介山 「大菩薩峠」
...八王子と小田原へ行く手代へ下つ引を一人づつ付けてやるやうに...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...私の行く手の小径(こみち)がひどく何時(いつ)もと変っているように見えた...
堀辰雄 「美しい村」
...行く手には危険と困難があります...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「諜報部」
...行く手がはばまれているような気がした...
本庄陸男 「石狩川」
...行く手遥かに明るく何をか見はるかすの思いがした...
正岡容 「小説 圓朝」
...行く手の災難を予覚している...
夢野久作 「暗黒公使」
...ますます由良は自分の行く手が怪しいもので満ち溢れているかのように感じられて来た...
横光利一 「馬車」
...満々たる大河が行く手に横たわっているではないか...
吉川英治 「三国志」
...道は暗々(あんあん)として行く手もしれない...
吉川英治 「神州天馬侠」
...その長い列の行く手を...
吉川英治 「茶漬三略」
...はるか行く手にはまた...
吉川英治 「宮本武蔵」
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