...そこにはやせ型の男と太っちょの支配人との行き届いたくふうがこらされていた...
江戸川乱歩 「影男」
...行き届いた厚化粧...
江見水蔭 「死剣と生縄」
...仏蘭西の婦人達は持前のお愛嬌と行き届いた接待とで...
薄田泣菫 「茶話」
...行き届いた人とみえて...
橘外男 「墓が呼んでいる」
...看護も実によく行き届いた...
谷崎潤一郎 「細雪」
...「候文(そうろうぶん)」ではないけれどもよく行き届いたソツのない書き方がしてあった...
谷崎潤一郎 「細雪」
...何から何まで行き届いたお心づかいに対しては...
種田山頭火 「『鉢の子』から『其中庵』まで」
...しかも完全に行き届いた恩恵を絶えず賜うために...
永井隆 「ロザリオの鎖」
...目に立つほどの塵もなく掃除の行き届いた庭に...
夏目漱石 「虞美人草」
...描写と観照の行き届いた...
萩原朔太郎 「詩の原理」
...口元は手入れの行き届いた黒髭で一部隠れているが...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「鉄面皮」
...源氏が当帝のために行き届いた御後見をする誠意に御信頼あそばされて...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...行き届いた上にも行き届かせての祝い日の設けが六条院にできていた...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...いつも浄(きよ)く掃除(そうじ)の行き届いた山荘であったのに...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...女房の部屋部屋にまで宮の御注意の行き届いた跡が見え...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...私自身は勿論のこと、あの正木博士すら気付かぬ位巧妙な、行き届いた、偉大な智慧の力でシッカリと私を押え付けて、血も涙も、骨も抜き取って、虚偽と穢(けが)れによって作り上げられた学術の犠牲に供すべく、刻一刻に私の背後から迫りつつある事がヒシヒシと全神経に感じられる...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...「よく気の行き届いた男だ」と感心もしたらしい...
吉川英治 「随筆 新平家」
...道を得た者はこういう行き届いた孝行をなし得るのである...
和辻哲郎 「孔子」
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