...持つて行き場のないやうな憤怒で...
有島武郎 「骨」
...俳優が役の気持ちに同化した場合には別に注文しなくても視線の行き場所や...
伊丹万作 「演技指導論草案」
...高野氏はこの時停車場の拡張で立退きを命ぜられて行き場に困っていた折柄なので...
相馬愛蔵、相馬黒光 「一商人として」
...(私も敏子も眼の持って行き場に困った...
谷崎潤一郎 「鍵」
...これが仲に立つ人でもあっていっしょになったのならば話の持って行き場もあるが...
近松秋江 「雪の日」
...自分の体の行き場のないことを零(こぼ)した...
徳田秋声 「足迹」
...もう道は開けたので……その道は地獄よりほか行き場のない道ではあるけれども...
中里介山 「大菩薩峠」
...山楽でなければ永徳――永徳でなければ山楽――よりほかへは持って行き場がなかろうけれど...
中里介山 「大菩薩峠」
...この娘は死ぬよりほかは行き場所のない子なんでございます...
中里介山 「大菩薩峠」
...行き場のないやりきれなさで...
林芙美子 「浮雲」
...富岡の眼の行き場をよく知つてゐるのだ...
林芙美子 「浮雲」
...林や果樹園や菜園が俺の行き場でないことだけは明瞭に判っている...
北條民雄 「いのちの初夜」
...自分は解剖室へ行く以外に何処へも行き場のないことを意識してゐるのかと...
北條民雄 「癩を病む青年達」
...けさ歩きまわっていたその谷じゅうに自分の持って行き場所のない想いをさまよわせていたが...
堀辰雄 「朴の咲く頃」
...夕べは行き場所がなくて野宿だ...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「煉獄」
...さしあたり行き場のない時にはさうも云はないが...
牧野信一 「病状」
...行き場所のない両手を肩に組んで首をちぢめていた...
山川方夫 「その一年」
...行き場を阻(はば)まれたうねりが白いしぶきを揚げるのだった...
吉川英治 「私本太平記」
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