...しかしそれ等の話の中でも最も僕を動かしたものは「御維新」前には行き倒れとか首くくりとかの死骸を早桶に入れその又早桶を葭簀(よしず)に包んだ上...
芥川龍之介 「本所両国」
...行き倒れの傍を取り巻いた子供達はその気味の悪い眼光に出遭ふと皆んな散り/\に逃げてしまひました...
伊藤野枝 「火つけ彦七」
...行き倒れになつてもかまはない!」然し北海道で死に恥も生き恥もさらしたくないと思ふと...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...行き倒れになった他の探検隊員だとは考えられないです...
海野十三 「三十年後の世界」
...行き倒れて死ぬ前に...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...行き倒れか、服毒自殺者か、それは分らないが、もう半ば腐爛しかけていて、前夜雨が降り、ずぶ濡れになっていた...
豊島与志雄 「女心の強ければ」
...ここに行き倒れていた女を嗅いでみろ...
豊島与志雄 「猫捨坂」
...しまいには森の中なんかで行き倒れになったり...
豊島与志雄 「ひでり狐」
...左の小鬢(こびん)に禿(はげ)のある行き倒れがなかつたか...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...あれは浅草で行き倒れの行路(こうろ)病者をひろってきたんです...
平林初之輔 「私はかうして死んだ!」
...島の磯方(いそべ)に行き倒れた在りのまゝなる吾身の夢に髣髴とするのは...
牧野信一 「半島の果にて」
...およねが襤褸に纏はれて松原で行き倒れになつてゐる夢を見たりした...
正宗白鳥 「玉の輿」
...あの山懐の真っ只中で行き倒れてしまうのではなかろうか...
松濤明 「春の遠山入り」
...びっくりしてねえ! まさか黒田の春子さんがこんなナリをして今頃こんな所で行き倒れているなどと誰が思うかな...
三好十郎 「樹氷」
...行き倒れになつて了つたのだ...
室生犀星 「命」
...何のいはれがあつてあたしのお母が行き倒れになつたといふのだ...
室生犀星 「命」
...もとは行き倒れの旅の老女を埋めた墓印の石で...
柳田國男 「日本の伝説」
...眼を見開いた行き倒れのように...
夢野久作 「斜坑」
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