...しかしそれ等の話の中でも最も僕を動かしたものは「御維新」前には行き倒れとか首くくりとかの死骸を早桶に入れその又早桶を葭簀(よしず)に包んだ上...
芥川龍之介 「本所両国」
...日本ではそんな行き倒れなどがあると大騒ぎになるというところだが...
上村松園 「余齢初旅」
...君は行き倒れ人として一旦(いったん)アパートへ引取られそれから親類総出でお葬式を営まれたのだ...
海野十三 「火葬国風景」
...都を離れた遠い野末(のずえ)に行き倒れていたのを捜し出されたとやらで...
谷崎潤一郎 「少将滋幹の母」
...木喰もいづれは野べの行き倒れ犬か鴉の餌食なりけりといふ歌を思ひ出したことである...
種田山頭火 「行乞記」
...一隅(かたすみ)には行き倒れや乞食の死んだのを埋葬したところもあった...
田山花袋 「田舎教師」
...いずこかへ姿を消した行き倒れの女も...
豊島与志雄 「猫捨坂」
...ついには路上に血を吐いて行き倒れる...
マリー・ルイーズ・ド・ラ・ラメー Marie Louise de la Ramee 菊池寛訳 「フランダースの犬」
...左の小鬢(こびん)に禿(はげ)のある行き倒れが無かったか...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...今朝兩國の栗唐一座の小屋の裏で行き倒れがありましたよ」「どんな行倒れだ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...行き倒れがあつたさうで」竹松とお六はニコニコと近づきました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...あれは浅草で行き倒れの行路(こうろ)病者をひろってきたんです...
平林初之輔 「私はかうして死んだ!」
...およねが襤褸に纏はれて松原で行き倒れになつてゐる夢を見たりした...
正宗白鳥 「玉の輿」
...あの山懐の真っ只中で行き倒れてしまうのではなかろうか...
松濤明 「春の遠山入り」
...お豊 どうしやしたかね?村人二 (振向いて)……ここで行き倒れみてえになっていてね...
三好十郎 「樹氷」
...何のいはれがあつてあたしのお母が行き倒れになつたといふのだ...
室生犀星 「命」
...錦糸堀の車庫の辺で行き倒れになっていたそうだ...
矢田津世子 「※[#「やまいだれ+句」、第4水準2-81-44]女抄録」
...野末に行き倒れて...
吉川英治 「宮本武蔵」
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