...しかし、先輩もなく参考画も思うようにないだけに、無性に人物画が描きたくて堪らなく、その時分諸家の入札とか、或はまた祇園の屏風祭りなどには、血眼になって、昔の古画のうちから、私の人物画の参考を漁ったもので、そして夢中で縮図をしたものでございます...
上村松園 「想い出」
...血眼になってこの犬の入手に狂奔するでしょう...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...時に、宇津木兵馬はいるか知らん」五十嵐がたずねると南条が、「あれも、血眼になって、たった今、どこかへ出て行った」「例のだな――困りものだ」「天下を挙げて血眼になっているのだ、達人の目から見た日には、権勢に飢えて血眼になっている奴等と、たいして択(えら)ぶところはあるまいじゃないか、我々もまた御多分には洩れまいじゃないか...
中里介山 「大菩薩峠」
...血眼になって、あせりきって、歯噛みをして、地団太を踏みつづけながらも、どこか心頭の一片に鉄の如きものがあって、あらゆる短気と、焦燥(しょうそう)とを圧えきっている...
中里介山 「大菩薩峠」
...こんなにまでして血眼になって駈けつけたか...
中里介山 「大菩薩峠」
...年中血眼になって騒ぎ廻っている「人類」が...
中谷宇吉郎 「科学は役に立つか」
...皆んなお上の手に押えてあるぞ」「お前は何者だ」堀周吉は血眼になって叱咤(しった)するのを...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...ブゥクレは血眼になって商況新聞の株の高低表を睨みつけていた...
久生十蘭 「悪の花束」
...血眼になって遺漏の発見に努力しているうちに...
久生十蘭 「カストリ侯実録」
...去年の春から血眼になって走り廻っていたことは君も知ってる...
久生十蘭 「魔都」
...そういうガラス罎の底を持って血眼になって走り廻ったってたア...
久生十蘭 「魔都」
...向うで血眼になって争っていたことも...
横光利一 「旅愁」
...血眼になって探し求めた...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...彼の弟たちも、坂東平野の草の根を分けてもと、血眼になって、行方を嗅ぎあるいていた...
吉川英治 「平の将門」
...何やら血眼になって...
吉川英治 「平の将門」
...それがねえ! 財布ぐるみだ! 財布ぐるみ掏(す)られてしまった」血眼になって騒ぎだした...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...また血眼になって...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...しかも見本の水晶の栓を血眼になって捜し廻ったり...
モウリス・ルブラン 新青年編輯局訳 「水晶の栓」
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