...しかし、先輩もなく参考画も思うようにないだけに、無性に人物画が描きたくて堪らなく、その時分諸家の入札とか、或はまた祇園の屏風祭りなどには、血眼になって、昔の古画のうちから、私の人物画の参考を漁ったもので、そして夢中で縮図をしたものでございます...
上村松園 「想い出」
...血眼になって探し求めている黄金の鍵は...
海野十三 「深夜の市長」
...多数の人の血眼になっていきせき追っかけるいわゆる先端的前線などは...
寺田寅彦 「時事雑感」
...こんなにまでして血眼になって駈けつけたか...
中里介山 「大菩薩峠」
...年中血眼になって騒ぎ廻っている「人類」が...
中谷宇吉郎 「科学は役に立つか」
...老人方が物欲に血眼になって居る間に...
野村胡堂 「古銭の謎」
...皆んなお上の手に押えてあるぞ」「お前は何者だ」堀周吉は血眼になって叱咤(しった)するのを...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...ブゥクレは血眼になって商況新聞の株の高低表を睨みつけていた...
久生十蘭 「悪の花束」
...去年の春から血眼になって走り廻っていたことは君も知ってる...
久生十蘭 「魔都」
...そういうガラス罎の底を持って血眼になって走り廻ったってたア...
久生十蘭 「魔都」
...血眼になって例の船宿の婆さんが久保本へも圓太の行方を探しにきたということだった...
正岡容 「小説 圓朝」
...こせこせして血眼になっている世界というものは...
横光利一 「上海」
...血眼になって騒いでいるのだろうよ……」とお延は口のうちで呟やいた...
吉川英治 「剣難女難」
...一人として血眼になっていない者のない中を――いかにも悠々(ゆうゆう)とした胸をひらいて歩いて来た者がある...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...彼の弟たちも、坂東平野の草の根を分けてもと、血眼になって、行方を嗅ぎあるいていた...
吉川英治 「平の将門」
...鴻山が宝暦の事変で血眼になって活躍していたころ...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...血眼になって検索している人間が...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...しかも見本の水晶の栓を血眼になって捜し廻ったり...
モウリス・ルブラン 新青年編輯局訳 「水晶の栓」
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