...こゝに西瓜の血汐を酌める...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...)万雷波に躍(をど)りて、大軸を砕(くだ)くとひびく刹那(せつな)に、名にしおふ黄海の王者、世界の大艦もくづれ傾むく天地の黒裡(こくおうり)、血汐を浴びて、腕をば拱(こまぬ)きて、無限の憤怒、怒濤(どたう)のかちどきの渦巻く海に瞳を凝(こ)らしつつ、大提督は静かに沈みけり...
石川啄木 「詩」
...生身(なまみ)の肌(はだへ)をいたはりつつ血汐に染める深手を...
薄田泣菫 「泣菫詩抄」
...流るる血汐留めんとすれど留まらず...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...残る蚊に額さされしわが血汐...
永井荷風 「※[#「さんずい+(壥−土へん−厂)」、第3水準1-87-25]東綺譚」
...八畳の間いっぱいに血汐(ちしお)...
中里介山 「大菩薩峠」
...いま上りかけた人足の面(つら)の真中から血汐(ちしお)が溢れ出して...
中里介山 「大菩薩峠」
...そこに迸(ほとばし)っている夥しい血汐は...
中里介山 「大菩薩峠」
...飛んだ血汐があたりに散った...
根岸正吉 「落ちぬ血痕」
...やわ肌に燃ゆる血汐の晶子女史を...
野村胡堂 「胡堂百話」
...こう血汐に汚れては見る影もありません...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...血汐の海の中に突っ伏し...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...血汐は顏から肩へ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...「閉(しま)りは無い」ズイと入ると、中は埃だらけの疊が十五六枚、祭壇のあたりには何の變化もありませんが、その後ろの方に廻ると、いろ/\の祭具が積み重ねてあり、片隅に引寄せられた大長持が一と棹(さを)、傍に寄つて見ると、「あツ血」外から輪鍵をかけて、眞上の隙間から眞つ直ぐに突つ立てた大太刀が一本、鍔際(つばぎは)まで呑まれて、斑々たる血汐が、長持の方から流れ出して居るではありませんか...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...女は滿身に血汐(ちしほ)を浴びて居りますが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...そなたの熱いわかわかしい血汐(ちしお)と肉の中に...
山川方夫 「菊」
...まざまざと滲(にじ)み出してきたのはまぎれもない血汐の雫(しずく)……「ちぇッ...
吉川英治 「江戸三国志」
...光子(てるこ)の御方だけは今にもそこへ流れる血汐を...
吉川英治 「剣難女難」
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