...次第に蠱惑がわしの心を捕へてしまつたからである...
テオフィル・ゴーチエ Theophile Gautier 芥川龍之介訳 「クラリモンド」
...目の前に見る酒に赤らんだ事務長の顔は妙に蠱惑的(こわくてき)な気味の悪い幻像となって...
有島武郎 「或る女」
...妖婦(ようふ)にのみ見る極端に肉的な蠱惑(こわく)の微笑がそれに代わって浮かみ出した...
有島武郎 「或る女」
...うまいのだろうか」「モルヒネ剤特有の蠱惑(こわく)にみちた快味(かいみ)があるというわけさ...
海野十三 「ゴールデン・バット事件」
...何という妖しいまでの蠱惑(こわく)さ美しさ...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...さういふものが際限なくかれを蠱惑させた...
田山録弥 「赤い鳥居」
...それ以外に或る大きな蠱惑が私を囚えていたように思われる...
豊島与志雄 「或る女の手記」
...其処から怪しい蠱惑(まどわし)の不安が手を伸した...
豊島与志雄 「湖水と彼等」
...蠱惑的な鬼気は物の深みに姿を潜めてしまう...
豊島与志雄 「真夜中から黎明まで」
...恐ろしい蠱惑(こわく)と懊悩(おうのう)をさえ感じさせるのです...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...さういふモオリスの蠱惑的な風姿をよく彷彿せしめる...
堀辰雄 「モオリス・ド・ゲランと姉ユウジェニイ」
...もっと蠱惑(こわく)的に暖く抑揚に富み――着物を脱いでからの形は...
宮本百合子 「印象」
...蛇身妖蠱(じゃしんようこ)きょうが音羽(おとわ)の護国寺では...
吉川英治 「江戸三国志」
...最新流行歌をうたって和服の蠱惑(こわく)の街に傾いた...
吉行エイスケ 「スポールティフな娼婦」
...生姜(しょうが)色の皮膚の断面に機能の失せた女の蠱惑(こわく)が感じられた...
吉行エイスケ 「戦争のファンタジイ」
...わらい声が妖しくもある蠱惑(こわく)となって僕に搦(から)みついてくるのだ...
吉行エイスケ 「東京ロマンティック恋愛記」
...それは限りなき蠱惑です...
蘭郁二郎 「足の裏」
...あるいは恋愛の場面などに描かれた蠱惑的(こわくてき)な女の描き方である...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
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