...それほどの蠱惑(こわく)の力と情熱の炎とが自分にあるかないか見ているがいい...
有島武郎 「或る女」
...そしておのれの持つ最も蠱惑(こわく)的な美を発揮したいならば...
伊丹万作 「演技指導論草案」
...精神の上立憲では昨日までのめちゃくちゃ主義のために蠱(むしば)まれているから...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...蠱(まじ)の衣ぬぎ捨に...
薄田泣菫 「泣菫詩抄」
...何という妖しいまでの蠱惑(こわく)さ美しさ...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...さういふものが際限なくかれを蠱惑させた...
田山録弥 「赤い鳥居」
...彼女の顔貌(がんぼう)の謎(なぞ)と頭脳生活の強烈さとに蠱惑(こわく)されていた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...神秘な不可測なる生命の息吹きと蠱惑とを有する女性の腹部にまで及んだ時...
豊島与志雄 「掠奪せられたる男」
...まさに暮れなんとする日は蠱惑的に...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...プルウストは自分の中に世界を非常に蠱惑的なるものとして受け入れると同時に...
堀辰雄 「プルウスト雜記」
...もっと蠱惑(こわく)的に暖く抑揚に富み――着物を脱いでからの形は...
宮本百合子 「印象」
...そうして異性の弱点をあらゆる方向から蠱惑(こわく)しつつ...
夢野久作 「鉄鎚」
...蛇身妖蠱(じゃしんようこ)きょうが音羽(おとわ)の護国寺では...
吉川英治 「江戸三国志」
...男には蠱惑(こわく)で...
吉川英治 「親鸞」
...目に痛いくらい蠱惑(こわく)だった...
吉川英治 「八寒道中」
...新貨幣のおかげで夜の脇腹(わきっぱら)から彼女の蠱(まどわ)しい横顔を藍色の夜にあらわした...
吉行エイスケ 「大阪万華鏡」
...天平の観音のいずれにも見られないような一種隠微(いんび)な蠱惑力(こわくりょく)を印象するのである...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
...しかしインド的な蠱惑(こわく)はない...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
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