...不可解な蠱惑(こわく)の犠牲であつたと云ふ事を理解して貰ふ為めに云ふのである...
テオフィル・ゴーチエ Theophile Gautier 芥川龍之介訳 「クラリモンド」
...腐菌(ふきん)の燐光(りんこう)を思わせる凄惨(せいさん)な蠱惑力(こわくりょく)をわずかな力として葉子はどこまでも倉地をとりこにしようとあせりにあせった...
有島武郎 「或る女」
...蠱(まじ)の衣ぬぎ捨に...
薄田泣菫 「泣菫詩抄」
...自分を美と蠱惑(こわく)の幻像(まぼろし)だといふ覚悟を忘れてはならぬ...
薄田泣菫 「茶話」
...鷽(うそ)が落(おと)した蠱(まじ)の實(み)の粒(つぶ)のひとつや含(ふく)まれて...
薄田淳介 「白羊宮」
...蠱(まじ)の眞名井(まなゐ)も掬(く)むやら...
薄田淳介 「白羊宮」
...何ともいえぬ蠱惑(こわく)と悩ましさとをもって...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...酒よりもかうした歌の方がもつともつと蠱惑的だ...
田山録弥 「一室」
...僕等には文壇のジアナリズムぐらゐではすまない大きな蠱惑や侮辱が絶えず攻めよせて來る...
土田杏村 「風は草木にささやいた」
...近代資本主義による消費及び生産の絢爛たる外貌に蠱惑されたのは...
戸坂潤 「思想としての文学」
...岸本はなにか蠱毒された心地で...
豊島与志雄 「白蛾」
...蠱惑(こわく)よ...
正岡容 「小説 圓朝」
...不思議な恋の蠱(ま)じの環を...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...その蠱惑(こわく)な姿態(しな)を甘えるようにくずしながら...
吉川英治 「江戸三国志」
...これを男に濡れさせてみたくなるばかりな蠱惑(こわく)をひそめ...
吉川英治 「私本太平記」
...ひどく蠱惑(こわく)な...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
...最新流行歌をうたって和服の蠱惑(こわく)の街に傾いた...
吉行エイスケ 「スポールティフな娼婦」
...天平の観音のいずれにも見られないような一種隠微(いんび)な蠱惑力(こわくりょく)を印象するのである...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
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