...妖婦(ようふ)にのみ見る極端に肉的な蠱惑(こわく)の微笑がそれに代わって浮かみ出した...
有島武郎 「或る女」
...会衆は蠱惑(こわく)されて聞(き)き惚(ほ)れていた...
有島武郎 「クララの出家」
...あれは何のお蠱でございます...
薄田泣菫 「茶話」
...自分を美と蠱惑(こわく)の幻像(まぼろし)だといふ覚悟を忘れてはならぬ...
薄田泣菫 「茶話」
...鷽(うそ)が落(おと)した蠱(まじ)の實(み)の粒(つぶ)のひとつや含(ふく)まれて...
薄田淳介 「白羊宮」
...山(やま)の嫗(おうな)の蠱(まじ)ものに...
薄田淳介 「白羊宮」
...そして蠱惑的な微笑を見せたのは彼女だ...
豊島与志雄 「掠奪せられたる男」
...恐ろしい蠱惑(こわく)と懊惱をさへ感じさせるのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...虚誕妄説を軽信して巫蠱(ふこ)神仏に惑溺し...
福沢諭吉 「学問のすすめ」
...傷から出た血が乾いて今まで鷹羽に条(すじ)や斑となって残ったとある(オエン『老兎巫蠱篇(オールド・ラビット・ゼ・ヴーズー)』一三六頁)...
南方熊楠 「十二支考」
...もっと蠱惑(こわく)的に暖く抑揚に富み――着物を脱いでからの形は...
宮本百合子 「印象」
...彼等には云い知れぬ蠱惑(こわく)的なものに見えた...
夢野久作 「東京人の堕落時代」
...向うの?」蠱惑(こわく)にみちたお蝶のひとみが...
吉川英治 「江戸三国志」
...蛇身妖蠱(じゃしんようこ)きょうが音羽(おとわ)の護国寺では...
吉川英治 「江戸三国志」
...俯(ふ)し目(め)になって袂を膝に抱えている千浪の蠱惑(こわく)よりほか...
吉川英治 「剣難女難」
...男を蠱惑(こわく)するかのような何かがある...
吉川英治 「新・水滸伝」
...蠱惑(こわく)な眼を...
吉川英治 「松のや露八」
...あるいは恋愛の場面などに描かれた蠱惑的(こわくてき)な女の描き方である...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
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