...此悪魔がわしの上にかけた蠱惑は...
テオフィル・ゴーチエ Theophile Gautier 芥川龍之介訳 「クラリモンド」
...葉子は三人の前に来ると軽く腰をまげて後(おく)れ毛(げ)をかき上げながら顔じゅうを蠱惑的(こわくてき)なほほえみにして挨拶(あいさつ)した...
有島武郎 「或る女」
...蠱惑(こわく)に充ちた美しいお照の肉体の游泳姿態を見せられて...
海野十三 「電気風呂の怪死事件」
...やき芋屋へ走りたくなるという御婦人方には極めて蠱惑的(こわくてき)なものである...
海野十三 「発明小僧」
...同時に蠱惑的(こわくてき)なものであったでしょう...
江戸川乱歩 「湖畔亭事件」
...木がくれにのがれて急ぐ佐保姫が旅路を詛ふ蠱術(まじもの)の息吹(いぶき)とはかん火ぞ...
薄田泣菫 「泣菫詩抄」
...蠱(まじ)の眞名井(まなゐ)も掬(く)むやら...
薄田淳介 「白羊宮」
...ああなんという蠱惑(こわく)的な線だろう...
高見順 「如何なる星の下に」
...彼の詩境を一貫して流れてゐる蠱惑の中心點はこれである...
萩原朔太郎 「田端に居た頃」
...とても蠱惑的(シヤルマン)だつたのださうだ...
堀辰雄 「不器用な天使」
...さういふモオリスの蠱惑的な風姿をよく彷彿せしめる...
堀辰雄 「モオリス・ド・ゲランと姉ユウジェニイ」
...虚無の胸のかげの一抹(いちまつ)がすうつと蠱惑(アムブロウジアル)の 翡翠に ながれたやがて...
八木重吉 「秋の瞳」
...蛇身妖蠱(じゃしんようこ)きょうが音羽(おとわ)の護国寺では...
吉川英治 「江戸三国志」
...俯(ふ)し目(め)になって袂を膝に抱えている千浪の蠱惑(こわく)よりほか...
吉川英治 「剣難女難」
...あんな蠱惑(こわく)な眼をして...
吉川英治 「三国志」
...蠱惑(こわく)な眼を...
吉川英治 「松のや露八」
...新貨幣のおかげで夜の脇腹(わきっぱら)から彼女の蠱(まどわ)しい横顔を藍色の夜にあらわした...
吉行エイスケ 「大阪万華鏡」
...凡(およ)そ浮かれ男の眼にはそれがアラビア海のマラバル岬に鮮かな赤更紗の虹がうき出たように濃い色彩を着けたことは勿論だがまた彼女が短いスカートから現した近代的な武装を解除した両脚にはいた棕櫚(しゅろ)の葉で作ったような靴下の野性的な蠱惑(こわく)の中から浮かれ男の思いもよらぬ数々の女の生命が幻燈のように現れてくるのだ...
吉行エイスケ 「孟買挿話」
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