...喧囂(けんがう)雑踏極まりもなき牡蠣殻町(かきがらちやう)の塵埃の中にも...
石川啄木 「閑天地」
...まだ自分たちと同じく蠣殻町(かきがらちょう)の父の家に住居のころ...
岡倉由三郎 「茶の本」
...蠣殻町(かきがらちやう)あたりで持金をすつて了つた田舎もの...
武田麟太郎 「大凶の籤」
...出直して蠣殻町(かきがらちょう)にゆくことにのみ心が澄んで来た...
近松秋江 「うつり香」
...成程蠣殻町(かきがらちょう)二丁目十四番地に...
近松秋江 「別れたる妻に送る手紙」
...月に一度くらいは急度(きっと)蠣殻町(かきがらちょう)の方へ出て来るのであったが...
徳田秋声 「あらくれ」
...大胆にも官金を融通して蠣殻町(かきがらちょう)に万金をつかまんとせしに...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...蠣殻町は浜町に比ぶれば気風ぐつと下りたりとて...
永井荷風 「桑中喜語」
...現在蠣殻町(かきがらちょう)にある水天宮(すいてんぐう)は元この邸内にあったのである...
永井荷風 「日和下駄」
...千束町は遂に千束町にして蠣殻町には依然として小待合多し...
永井荷風 「偏奇館漫録」
...日本橋蠣殻町、海賊橋(かいぞくばし)ぎわの佐原屋の近くで、宵の口からウソウソと動きまわるただならぬ人のけはいがあった...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...四方から蠣殻町一円を蟻のはいでる隙間もないよう押しかこんでしまった...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...蠣殻町の中邸から来たのは...
森鴎外 「護持院原の敵討」
...蠣殻町の住いは手狭で...
森鴎外 「護持院原の敵討」
...二月五日に九郎右衛門は江戸蠣殻町の中邸にある山本宇平が宅に着いた...
森鴎外 「護持院原の敵討」
...九郎右衛門は蠣殻町へ飛んで帰った...
森鴎外 「護持院原の敵討」
...相手が蠣殻町(かきがらちょう)の娘のおちよだってことはおめえも知ってるだろう...
山本周五郎 「赤ひげ診療譚」
...中流向きの名劇場俳優は不平組の粒ぞろい蠣殻町(かきがらちょう)の中島座...
山本笑月 「明治世相百話」
便利!手書き漢字入力検索