...このごろは蠣殻町にゆくかね?」打って変ったような優しい顔をしてさばけた口を利いた...
近松秋江 「うつり香」
...蠣殻町の売女(おんな)を女房にも出来ますまいが...
近松秋江 「うつり香」
...こんどは本当にお宮の手紙を懐中(ふところ)にして蠣殻町に出かけていった...
近松秋江 「うつり香」
...矢張りまた前年(いつか)のように浜町か蠣殻町(かきがらちょう)らしいの...
近松秋江 「別れたる妻に送る手紙」
...東京の蠣殻町(かきがらちょう)育ちだったが...
徳田秋声 「縮図」
...大胆にも官金を融通して蠣殻町(かきがらちょう)に万金をつかまんとせしに...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...日本橋浜町蠣殻町(にほんばしはまちょうかきがらちょう)辺に白首(しろくび)夥(おびただ)しく巣を喰ひ芸者娼妓これがために顔色なかりき...
永井荷風 「桑中喜語」
...以後浜町蠣殻町辺には白首の優物(ゆうぶつ)跡を絶ち...
永井荷風 「桑中喜語」
...蠣殻町(かきがらちょう)の勤先からやむをえず雪中歩いて来た始末を語った...
永井荷風 「十日の菊」
...現在蠣殻町(かきがらちょう)にある水天宮(すいてんぐう)は元この邸内にあったのである...
永井荷風 「日和下駄」
...長唄の師匠)の蠣殻町(かきがらちょう)の家から出ると豊沢団(とよざわだん)なんとかいう竈河岸(へっついがし)の義太夫の師匠の表格子にたって...
長谷川時雨 「明治座今昔」
...蠣殻町(かきがらちょう)二丁目にある銀座が分判銀(ぶばんぎん)...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...日本橋蠣殻町、海賊橋(かいぞくばし)ぎわの佐原屋の近くで、宵の口からウソウソと動きまわるただならぬ人のけはいがあった...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...こうして蠣殻町をひっつつんでしまったというのには...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...蠣殻町の中邸から来たのは...
森鴎外 「護持院原の敵討」
...九郎右衛門は蠣殻町へ飛んで帰った...
森鴎外 「護持院原の敵討」
...相手が蠣殻町(かきがらちょう)の娘のおちよだってことはおめえも知ってるだろう...
山本周五郎 「赤ひげ診療譚」
...中流向きの名劇場俳優は不平組の粒ぞろい蠣殻町(かきがらちょう)の中島座...
山本笑月 「明治世相百話」
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