...無数の蠢々(しゆんしゆん)たる生物ありて我等の胸間より発する燦爛(さんらん)の光に仰ぎ入れるあらむ...
石川啄木 「閑天地」
...ふと恐ろしいものが鏡の底に蠢(うごめ)いているのを発見しました...
江戸川乱歩 「湖畔亭事件」
...活東子(くわつとうし)は鼻(はな)を蠢(うご)めかして『いや...
江見水蔭 「探檢實記 地中の秘密」
...自レ人及二獣毘蠢...
高木敏雄 「比較神話学」
...全く種類を異にしたある別の疑懼(ぎく)の念が蠢動(しゅんどう)していた...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...毛虫の毛を逆立て芋虫の角を動し腹を蠢(うごめ)かすさまの恐しきを思えば...
永井荷風 「偏奇館漫録」
...まるで想像を絶した奇怪な姿のものがいくらでも蠢(うごめ)いているのである...
中谷宇吉郎 「雑魚図譜」
...蘇芳(すおう)を浴びた虫のように蠢(うごめ)く断末魔(だんまつま)の娘をどうしようもありません...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...少しも解らねえ」ガラッ八の鼻は蠢(うごめ)きますが...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...幽霊が虫のように蠢(うごめ)いているのです...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...親分」母屋と離屋をつなぐ廊下の真ん中に坐って何やら蠢(うごめ)く姿が...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...――それに親分が言つたやうに袂(たもと)で短刀を掴んだ樣子もありませんぜ」八五郎の鼻は蠢(うごめ)きます...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...雛(ひな)が一杯蠢(うごめ)いていた...
原民喜 「廃墟から」
...電燈の光のなかに四五十人の顔が蠢めいてゐる...
原民喜 「魔のひととき」
...垢と吹出物に蔽われて虫のように蠢いていたが...
久生十蘭 「カストリ侯実録」
...怖ろしい注意力に怯えながら、吐き、逼ひ、蠢き、転げなければならなかつた...
牧野信一 「西瓜喰ふ人」
...妄想と現実との中間に座って蠢めく私は...
松永延造 「職工と微笑」
...二十余年前の――稲葉山の牢内に蠢(うごめ)いていた自分の姿だった...
吉川英治 「茶漬三略」
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