...蠢(うごめ)くたびに...
泉鏡花 「貝の穴に河童の居る事」
...清澄なる液体のなかに蠢くこの奇妙な人体の一部を凝視している...
海野十三 「生きている腸」
...明智達の蠢(うごめ)く影を見て取るのは...
江戸川乱歩 「黄金仮面」
...黒い人影がモゴモゴと蠢いているではないか...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...抗英の蠢動を開始していた...
リットン・ストレチー Lytton Strachey 片岡鉄兵訳 「エリザベスとエセックス」
...黄昏(ゆうぐれ)の黄(きい)ろな光の底に蠢(うごめ)いている人群の中へかくれてしまった...
田中貢太郎 「妖影」
...世界的拳闘選手(けんとうせんしゅ)が芋虫のように蠢動(しゅんどう)するのを見ることもできるのである...
寺田寅彦 「映画の世界像」
...地面を蠢動する蚯蚓みたいになりはしないかを...
豊島与志雄 「ヒューメーンということに就て」
...隙(ひま)漏る風に手燭の火の揺れる時怪物のようなわが影は蚰蜒(げじげじ)の匐(は)う畳の上から壁虎(やもり)のへばり付いた壁の上に蠢(うごめ)いている...
永井荷風 「雨瀟瀟」
...蠢(うごめ)いていた...
夏目漱石 「永日小品」
...最初の裡くねくねと体を蠢(うご)めかして居た妻も...
西尾正 「陳情書」
...虫のごとく蠢(うごめ)くお村の裸体...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...だんだん赤らんで来るではないか――さながら生きもののやうに蠢めきながら...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...塵芥の中に蠢(うごめ)く蛆(うじ)に己は似ているのだ...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...ふとノートル・ダムの石室の中を蠢めきのぼった真紀子の汗ばんだ体の触感も思い出され...
横光利一 「旅愁」
...溶け崩れそうに蠢めいているのも...
横光利一 「旅愁」
...音もなく蠢(うご)めいているのだ...
蘭郁二郎 「魔像」
...腕の中になよなよと蠢めく悩ましき肉体は...
蘭郁二郎 「夢鬼」
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