...ぼやりぼやりと小按摩が蠢(うご)めいた...
泉鏡花 「怨霊借用」
...蠢動(うごめ)きゐるは正しくそれなり...
巌谷小波 「こがね丸」
...早くも銀杏のうつろに蠢くものを見た...
江戸川乱歩 「黄金仮面」
...ゴチャゴチャと無数の肉塊(にくかい)が蠢(うごめ)いていた...
江戸川乱歩 「恐怖王」
...黄昏(ゆうぐれ)の黄(きい)ろな光の底に蠢(うごめ)いている人群の中へかくれてしまった...
田中貢太郎 「妖影」
...確かに首を前後左右へ蠢(うごめ)かしている...
谷崎潤一郎 「少年」
...世界的拳闘選手(けんとうせんしゅ)が芋虫のように蠢動(しゅんどう)するのを見ることもできるのである...
寺田寅彦 「映画の世界像」
...すべてが細かい蠢動(しゅんどう)になってしまうのである...
寺田寅彦 「映画の世界像」
...蠢(うごめ)き、まつわるものの、いやらしさ...
中島敦 「光と風と夢」
...深い雪の下で僅かに蠢きながら...
中谷宇吉郎 「荒野の冬」
...蠢(うごめ)いていた...
夏目漱石 「永日小品」
...變なことがありますよ」八五郎の鼻は蠢(うごめ)きます...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...銭形の親分」由良松は低い鼻を蠢(うご)めかします...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...そのムズムズと蠢動(うごめ)く時は世界中が一所(ひとところ)に集る如く...
二葉亭四迷 「浮雲」
...それは恰も皮下に一個の林檎を蔵してゐるが如くグリグリと蠢く態(さま)は...
牧野信一 「バラルダ物語」
...蠢乎(しゅんこ)として或る異臭を食(は)みながら群れていた...
室生犀星 「後の日の童子」
...それから吹溜りに蠢動(しゅんどう)する熊の背などが...
山本周五郎 「夜明けの辻」
...二十余年前の――稲葉山の牢内に蠢(うごめ)いていた自分の姿だった...
吉川英治 「茶漬三略」
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