...だから僕は君と相對する時こそ妙な蟠りを感ずるけれども...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...彼は教團成立の最初のやうに彼と彼の「子供達」との間に何の蟠りもなく...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...何の蟠りもなく他人を包容する人だと思つてゐる人があるならば...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...彼の容子を見ると心に何か蟠りがあるやうでもあるが其活々した底力のある容貌は決して愁あるものではないといふことを知らしめる...
長塚節 「商機」
...「何うしたものでしょう」「仕方がありませんワ」思いの外蟠りの無い女の言葉は...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...あれで兩家の面白くない蟠(わだかま)りも解けるだらう」「そんな蟠りがあつたでせうか」「自分の親だけ自害して...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...あれで両家の面白くない蟠(わだかま)りも解けるだろう」「そんな蟠りがあったでしょうか」「自分の親だけ自害して...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...心に何の蟠りなく...
葉山嘉樹 「工場の窓より」
...何だか心に異様に重苦しく寂しい蟠りが生じて...
牧野信一 「秋晴れの日」
...己れの心の蟠りを相手に感ぜしめぬ為に...
牧野信一 「秋晴れの日」
...家庭などに何の蟠りも持つてゐない不良大学生のやうだつた...
牧野信一 「鏡地獄」
...未だに私の胸の隅にはあの時の失敗を取り返してやらうといふやうな鬱陶しさが蟠り...
牧野信一 「早春のひところ」
...怖くも、口惜しくも何ともないの――たゞ、もつと、はつきり云つたら好さゝうなものだと思つて、今度の妾達の新しいお母さん――」百合子は、云ひかけて、何の蟠りもなく、ふわツ! と笑つた...
牧野信一 「南風譜」
...」何う考へてもこの胸の蟠りは晴れさうもないから...
牧野信一 「まぼろし」
...もう樽野には何の蟠りもなかつた...
牧野信一 「円卓子での話」
...仲人をする以上二人の間の蟠りを...
横光利一 「旅愁」
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