...北見の境上に蟠(わだかま)る連嶺が青く見えて來た...
徳冨蘆花 「熊の足跡」
...蟠桃は其の音の示す如く番頭で...
内藤湖南 「大阪の町人と學問」
...平常心の底に蟠(わだかま)っている怨恨(えんこん)は折々われ知らず言葉の端にも現われそうになるのを...
永井荷風 「つゆのあとさき」
...列仙(れっせん)の集まる蟠桃会(はんとうえ)を擾(さわ)がし...
中島敦 「悟浄歎異」
...彼の容子を見ると心に何か蟠りがあるやうでもあるが其活々した底力のある容貌は決して愁あるものではないといふことを知らしめる...
長塚節 「商機」
...熾な希望と共に何處かに不安の念が蟠つて時には非常な取越苦勞もすることがある...
長塚節 「商機」
...私の大いなる疑問は常にそこに蟠(わだか)まっている...
夏目漱石 「硝子戸の中」
...なんの蟠(わだかま)りもなくニヤリとしました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...今度はバラ撒(ま)かずに溜めて置くが宜いぜ」平次は女房のお靜を顧(かへり)みて蟠(わだかま)りもなく笑ひました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...今度はバラ撒(ま)かずに溜めておくがいいぜ」平次は女房のお静を顧みて蟠(わだかま)りもなく笑いました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...御用とおっしゃるのは?」喜三郎は蟠(わだかま)りのない長い顔を挙げます...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...胸の中に蟠(わだか)まつて居た長い間の鬱屈(うつくつ)を...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...武總に蟠居したる有名な平氏...
原勝郎 「日本史上の奧州」
...薄気味悪くふくんでゐるやうな物凄い意地の悪さが蟠つてゐるかのやうであるのだが...
牧野信一 「浪曼的月評」
...末造が来てもこれまでのように蟠(わだか)まりのない直情で接せずに...
森鴎外 「雁」
...明治史の裡面に蟠踞(ばんきょ)する浪人界の巨頭じゃないか...
夢野久作 「近世快人伝」
...ただ銘刀の刃紋(はもん)のうような朧夜(ろうや)の雲が空いちめんに蟠(わだかま)っていて...
吉川英治 「江戸三国志」
...そしてそこの蟠桃河(ばんとうが)の岸までくると...
吉川英治 「三国志」
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