...彼は教團成立の最初のやうに彼と彼の「子供達」との間に何の蟠りもなく...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...何の蟠りもなく他人を包容する人だと思つてゐる人があるならば...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...彼自身は別個の存在として著書堆積裏(たいせきり)に蟠居(ばんきょ)している...
高村光太郎 「触覚の世界」
...私にはもっともっと根掘り葉掘り聞いてみたい疑問は胸一杯に蟠(わだかま)っていたのであったが...
橘外男 「逗子物語」
......
田中貢太郎 「愛卿伝」
...東至于蟠木」といふ...
内藤湖南 「禹貢製作の時代」
...私がやはり嘗て懷徳堂で講演しました山片蟠桃といふ人も播州の出身であります...
内藤湖南 「大阪の町人學者富永仲基」
...スペクトル分析が發明されて以來 久しく蟠つている難題であつた...
長岡半太郎 「プランク先生の憶い出」
...彼らの間に蟠(わだか)まる秘密を...
夏目漱石 「永日小品」
...晴れかかりたる眉(まゆ)に晴れがたき雲の蟠(わだか)まりて...
夏目漱石 「薤露行」
...――刈り込まざる髯!棕櫚箒(しゅろぼうき)を砧(きぬた)で打ったような髯――この気魄(きはく)は這裏(しゃり)に磅(ほうはく)として蟠(わだか)まり瀁(こうよう)として漲(みなぎ)っている...
夏目漱石 「趣味の遺伝」
...それからその土手の上に蟠(わだか)まる黒い松の木が見えるだけであった...
夏目漱石 「明暗」
...なんの蟠(わだかま)りもなくニヤリとしました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...力松が下手人と決ったとでも言うのかえ」平次は何の蟠(わだかま)りもなくガラッ八を迎えました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...佐吉の大笑いで二人の間の蟠(わだかま)りが取れると...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...御用と仰しやるのは?」喜三郎は蟠(わだかま)りのない長い顏を擧げます...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...鬱蒼蟠居(うつさうばんきよ)の古木とある首尾の松は...
長谷川時雨 「花火と大川端」
...その眼で陽のとどかない室の隅を見ると夢のやうに白い煙りが蟠つてゐるかのやうにも見えました...
牧野信一 「愚かな朝の話」
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