...常に予が胸底に蟠(わだかま)れる...
芥川龍之介 「開化の殺人」
...椿岳はこの依頼を受けると殆んど毎日東京の諸寺を駈巡(かけめぐ)って格天井の蟠龍を見て歩いた...
内田魯庵 「淡島椿岳」
...年上の千手丸の胸に蟠(わだかま)って居るものは...
谷崎潤一郎 「二人の稚児」
...宿の後方の横手(ヨコテ)に老松が一本蟠つてゐる...
種田山頭火 「行乞記」
...それほど私のうちには遊惰な心が蟠っていたのだ...
豊島与志雄 「理想の女」
...スペクトル分析が發明されて以來 久しく蟠つている難題であつた...
長岡半太郎 「プランク先生の憶い出」
...ややもすれば暗雲の蟠(わだかま)る大奥の勢力争いを...
中里介山 「大菩薩峠」
...その蟠まりの中に...
夏目漱石 「行人」
...そんなこんなの蟠(わだか)まりから...
夏目漱石 「明暗」
...力松が下手人と決ったとでも言うのかえ」平次は何の蟠(わだかま)りもなくガラッ八を迎えました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...親分」松五郎の顏には何の蟠(わだかま)りもありません...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...何んの蟠(わだかま)りもなく言つてのけて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...何んの蟠(わだかま)りもなく...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...家中の者は皆んな知ってますから」お六はそう言って蟠(わだ)かまりもなく笑うのです...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...二日酔ともつかない胸苦しさが蟠つてゐてならなかつた...
牧野信一 「円卓子での話」
...漢名石蛇というほど蟠(ま)いた蛇に酷(よく)似いる...
南方熊楠 「十二支考」
...明治史の裡面に蟠踞(ばんきょ)する浪人界の巨頭じゃないか...
夢野久作 「近世快人伝」
...主君(との)の御不満の底にはソレが蟠(わだか)まっておるでのう...
夢野久作 「名君忠之」
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