...こうして胸襟(きょうきん)を開いて語ればお互に何の蟠(わだかま)りもなく打解ける事が出来た...
内田魯庵 「硯友社の勃興と道程」
...宿の後方の横手(ヨコテ)に老松が一本蟠つてゐる...
種田山頭火 「行乞記」
...北見の境上(きょうじょう)に蟠(わだかま)る連嶺(れんれい)が青く見えて来た...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...蟠桃は其の音の示す如く番頭で...
内藤湖南 「大阪の町人と學問」
...長吉(ちやうきち)は今まで胸に蟠(わだかま)つた伯父(をぢ)に対する不満を暫(しばら)く忘れた...
永井荷風 「すみだ川」
...胆吹の山が真黒に蟠(わだかま)っている麓は...
中里介山 「大菩薩峠」
...列仙(れっせん)の集まる蟠桃会(はんとうえ)を擾(さわ)がし...
中島敦 「悟浄歎異」
...ただ蟠(わだかま)った根が奇麗な土の中から瘤(こぶ)だらけの骨を一二寸露(あら)わしているばかりだ...
夏目漱石 「趣味の遺伝」
...古(いにしえ)の天(てん)定まりて人に勝つとは是(こ)れなり」第九章 心の独立と体の独立友人を擲(なぐ)った少年時代の追懐この問題は永く僕の心に蟠(わだかま)っているもので...
新渡戸稲造 「自警録」
...蟠(わだかま)りもなくガラツ八を顧みました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...「これでしょうか」お静は何の蟠(わだかま)りもなく...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...この野郎を縛らなかったんだ」平次は蟠(わだかま)りのない問いを持出しました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...俺で役に立つ事なら」錢形平次は何んの蟠(わだかま)りもなく御輿(みこし)をあげました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...胸の中に蟠(わだか)まつて居た長い間の鬱屈(うつくつ)を...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...心に何の蟠りなく...
葉山嘉樹 「工場の窓より」
...これが秀麿の脳髄の中に蟠結(はんけつ)している暗黒な塊で...
森鴎外 「かのように」
...橋畔風談(きょうはんふうだん)一蟠桃河(ばんとうが)の水は紅くなった...
吉川英治 「三国志」
...それは将門とはまったく無関係な富士の人穴辺に蟠踞(ばんきょ)している賊が...
吉川英治 「平の将門」
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