...蟋蟀(こほろぎ)の声と共に...
芥川龍之介 「戯作三昧」
...唯何処(どこ)かで鳴いてゐる蟋蟀(こほろぎ)の声ばかりになつた...
芥川龍之介 「南京の基督」
...蟋蟀(きりぎりす)が一匹とまっている...
芥川龍之介 「羅生門」
...やがて鼓や笛や、六絃琴や、竪琴で音楽が始まると、マリーとマルタの家はまるで蜂や、蟋蟀や、小鳥の鳴き声で掩われてしまったように賑やかになった...
レオニード・ニコラエヴィッチ・アンドレーエフ 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
...蟋蟀(きりぎりす)の噛(かじ)った塗盆(ぬりぼん)に...
泉鏡花 「悪獣篇」
...蟋蟀をふかす5・27東京日日(夕)「君は蟋蟀(こほろぎ)をくはへてるな...
薄田泣菫 「茶話」
...一体スペインには蟋蟀がざらにゐる...
薄田泣菫 「茶話」
...言葉の上では蟋蟀をくはへてゐることになるのだ...
薄田泣菫 「茶話」
...正蟀、帆影郎、沼蘋(しょうひん)女等来る...
高浜虚子 「五百句」
...彼は一匹の蟋蟀(こおろぎ)を捜し出して...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...蟀谷(こめかみ)の皮膚がゆるんで皺を寄せていた...
豊島与志雄 「反抗」
...蝶蝶のやうに飛びあがり飛びくだるお手玉といつしよにおちやんの顔がうなづくたんびに紅白だんだらに染めた簪の総(ふさ)が蟀谷(こめかみ)のあたりにはらはらとみだれる...
中勘助 「銀の匙」
...濡れた木(こ)の葉(は)と枯枝とに狼藉(ろうぜき)としている庭のさまを生き残った法師蝉(ほうしぜみ)と蟋蟀(こおろぎ)とが雨の霽(は)れま霽れまに嘆き弔(とむら)うばかり...
永井荷風 「※[#「さんずい+(壥−土へん−厂)」、第3水準1-87-25]東綺譚」
...いつぞや初音を試みたなり默つてしまつた蟋蟀は...
永井荷風 「蟲の聲」
...離れたまま対峙(たいじ)している蟋蟀たちの容子(ようす)をじいっと見ていた...
林芙美子 「泣虫小僧」
...蟋蟀(いとど)の声もおさない秋のはじめに...
久生十蘭 「うすゆき抄」
...夕暮に弱く寂しく予め夜寒を歎く山の蟋蟀この歌では「予め夜寒を」が字眼で之が無ければ歌にはならない...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...まるで蟋蟀(こおろぎ)か海老(えび)のように...
夢野久作 「白髪小僧」
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