...螽(いなご)を喰ひ野蜜を甞め...
石川啄木 「雲は天才である」
...螽(いなご)の如く蹲(しやが)んで居る男と...
石川啄木 「漂泊」
...螽斯(ばった)ほどの小さな旅のものに...
泉鏡花 「唄立山心中一曲」
...ベスレム製鋼会社の社長から螽斯(ばつた)のやうに一飛びして米国管船局総裁の位置に上(のぼ)つたチヤールズ・シユワツプ氏である...
薄田泣菫 「茶話」
...」応募兵は自分が螽斯(ばつた)のやうに勁(つよ)い脚を持つてゐるのを見せるために...
薄田泣菫 「茶話」
...松平家の用人は螽斯(ばつた)のやうに表へ飛んで出た...
薄田泣菫 「茶話」
...六番の美男の東海さんは「螽(きりぎりす)みたいな...
田中英光 「オリンポスの果実」
...螽斯(ばった)のようになった手を蒲団(ふとん)の外になげだすようにして寝ているのが垣の間から見える...
田山花袋 「田舎教師」
...螽(いなご)がぱら/\と足(あし)の響(ひゞき)に連(つ)れて稻(いね)を渉(わた)つて遁(にげ)た...
長塚節 「土」
...一夜きり/″\すをきく石炭の屑捨つるみちの草村に秋はまだきの螽なくきり/″\すきかまく暫し臀据ゑて暮れきとばかり草もぬくめりきり/″\すきこゆる夜の月見草おぼつかなくも只ほのかなり白銀の鍼打つごとききり/″\す幾夜はへなば涼しかるらむ月見草けぶるが如くにほへれば松の木の間に月缺けて低し八月一日...
長塚節 「長塚節歌集 下」
...螽(こほろぎ)が枕上ちかく飛んでくるのを見るあたりの...
長谷川時雨 「夏の夜」
...螽(きりぎりす)など無数の虫どもが...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...一三)瓜盗む人の噂や風冷ゆる鯊(はぜ)登る川に燈籠流しけり茄子(なす)はぜぬ病怠る嫁の眉酒親し燈に来て鳴かぬ螽(きりぎりす)本売って酒ととのへぬ秋の風〔一三〕四十円ばかり入ったので小野と笹子峠を越えた...
山本周五郎 「青べか日記」
...螽(いなご)のようにぞろぞろ出て来て...
吉川英治 「大谷刑部」
...キチキチキチ……と青い螽(ばった)が信長の姿に飛び交う...
吉川英治 「新書太閤記」
...昼の螽(きりぎりす)が啼いていた...
吉川英治 「新書太閤記」
...身をめぐってキチキチ飛ぶ螽(ばった)のように聞いていた...
吉川英治 「新書太閤記」
...なにかお寺へことづてはありませんか」機螽(はたはた)のとぶように...
吉川英治 「梅里先生行状記」
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