...その上にはまた青蝿(あおばえ)が...
芥川龍之介 「偸盗」
...先ほどから明るい障子に羽根を休めている蝿(はえ)に強く視線を集めようとした...
有島武郎 「星座」
...……清逸はそこまで考えてくると眼の前には障子も蝿もなくなっていた...
有島武郎 「星座」
...これ蝿も蚊も有するものなればなり...
内村鑑三 「基督信徒のなぐさめ」
...その男の顔から頭にかけておびただしく蝿(はえ)がたかっていたのである...
梅崎春生 「日の果て」
...その熱したてらてらした顔に蝿がとまると彼は狂人のように罵った...
スティーブンソン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「宝島」
...……・死にたい草の枯れようとして・秋蝿...
種田山頭火 「其中日記」
...改作・ころり寝ころべば五月の空・青葉の奥へ道がなくなれば墓地・日向あたゝかく私がをれば蝿もをる自問自答・それもよからう草が咲いてゐる五月廿八日雨...
種田山頭火 「其中日記」
...……蝿を殺す、油虫を殺す、百足を殺す、蜘蛛を殺す、……そしておしまひには私自身を殺すだらう!……あまり予期してゐなかつた酒が魚が持ち来された(一昨日、幸便に托して、山田屋主人に酒と魚を借りたいといふ手紙をあげてをいたのであるが)、さつそく飲んだ(五日ぶりの酒であり魚であつた)、快い気分になつて、学校に樹明君を訪ねて来庵を促した(そして米と野菜とを貰つて)、それからまた飲んだ、飲んで街へ出た、ひよろひよろになるまで飲んだ、ちようど私の不在中訪ねて来て、私を探し歩いてゐる敬君に逢うて...
種田山頭火 「其中日記」
...・蛙なく窓からは英語を習ふ声・最後の一匹として殺される蝿として殺した藪蚊の...
種田山頭火 「其中日記」
...そして蝿のはかなさ...
種田山頭火 「其中日記」
...十一月十日病中老吟一句――はひあるく秋蝿のわたくしAさん来庵...
種田山頭火 「其中日記」
...蝿はやがて飛べなくなってしまうだろう...
豊島与志雄 「悲しい誤解」
...蝿よけの蚊帳(かや)を吊って寝ておられる...
永井隆 「長崎の鐘」
...青蝿のように執拗な弥次馬が二十人ばかり...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...こいつは蝿と同様...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...朝からそこにおいてある蝿除(はえよ)けをかけたままの膳を見て...
吉川英治 「大岡越前」
...銀蝿(ぎんばえ)の群れが唸(うな)って舞った...
吉川英治 「新書太閤記」
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