...いつのまにかたかっていた青蝿(あおばえ)が...
芥川龍之介 「偸盗」
...そして前どおりに障子にとまっている一匹の蝿にすべての注意を向けようとした...
有島武郎 「星座」
...ただ面白くもあり五月蝿くもあった...
魯迅 井上紅梅訳 「不周山」
...微かに蝿を追う仕草をした...
梅崎春生 「日の果て」
...生きているうちから蝿はたかるのか...
梅崎春生 「日の果て」
...男の顔には再び蝿が戻って止り始めるらしかった...
梅崎春生 「日の果て」
...蝿(はえ)の群のように倉庫の日なたの側に集っている...
海野十三 「霊魂第十号の秘密」
...この階級には鼠や蝿や蚊や虱などの名がずらりと書きならべられてあつたさうだ...
薄田泣菫 「独楽園」
...夫は私の寝顔見ながら団扇(うちわ)で蝿(はい)追うてた...
谷崎潤一郎 「卍(まんじ)」
...盆の十四日、私の盆は淋しいなあ!――蚊、蝿、蟻、蜘蛛、蜂までが飛びこんでくる...
種田山頭火 「一草庵日記」
...どこともなく蝿(はえ)の群が...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...宛も瓶の中をぐるぐる飛び廻る蝿のようなものである...
豊島与志雄 「都会に於ける中流婦人の生活」
...蚊と蝿とカミキリ虫とは...
豊島与志雄 「美醜」
...土は枇杷(びは)いろ蝿(はへ)が唸(な)く...
中原中也 「在りし日の歌」
......
松本たかし 「松本たかし句集」
...あの恐ろしい蛆の蝿が...
三澤勝衛 「自力更生より自然力更生へ」
...人のいない部屋の蝿の群り飛ぶ中でひっそりと鳴る柱時計...
横光利一 「夜の靴」
...蚤と蝿とに苦しめられている時の私には...
横光利一 「夜の靴」
便利!手書き漢字入力検索