...×馬蝿(うまばへ)は水星にも群(むらが)つて行つた...
芥川龍之介 「軽井沢で」
...その上にはまた青蝿(あおばえ)が...
芥川龍之介 「偸盗」
...偶(たまたま)路傍の大石(たいせき)に一匹の蝿(はへ)のとまれるあり...
芥川龍之介 「病中雑記」
...蝿がまた動いた...
有島武郎 「星座」
...鼠や蝿や蚊なればこそ...
薄田泣菫 「独楽園」
...・ゆふべしたしくゆらぎつつ咲く(月草)・おみやげは酒とさかなとそして蝿(樹明君に)・何を求める風の中ゆく・若葉あかるい窓をひらいてほどよい食慾青葉のむかうからうたうてくるは酒屋さん風ふく竹ゆらぐ窓の明暗風の夜の更けてゆく私も虫もぢつとして六月三日曇...
種田山頭火 「其中日記」
...松笠風鈴を聴きつつ・風鈴鳴ればはるかなるかな抱壺のすがた・やもりが障子に暮れると恋の場面をゑがく・たたへた水のをり/\は魚がはねて・柿の若葉に雲のない昼月を添へて・うたうとするその手へとまらうとする蝿で(雑)六月十一日晴...
種田山頭火 「其中日記」
...そして蝿のはかなさ...
種田山頭火 「其中日記」
...五月蝿(うるさ)い追求を避けるためであったと思う...
コナン・ドイル 三上於莵吉訳 「空家の冒険」
...蝿が一匹飛びまわっている...
豊島与志雄 「或る作家の厄日」
...蝿はやがて飛べなくなってしまうだろう...
豊島与志雄 「悲しい誤解」
...天井の蝿(はえ)を眺めたり...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...蚊と蝿とカミキリ虫とは...
豊島与志雄 「美醜」
...與吉(よきち)は此(こ)れで毎朝(まいあさ)おつぎから五月蝿(うるさ)がられて居(ゐ)た...
長塚節 「土」
...蝿(はへ)はブンブン 唸つてる畳ももはや 黄色くなつたと今朝がた 誰かが云つてゐたつけそれやこれやと とりとめもなく僕の頭に 記憶は浮かび浮かぶがまゝに 浮かべてゐるうちいつしか 僕は眠つてゐたのだ覚めたのは 夕方ちかくまだかなかなは啼(な)いてたけれど樹々の梢は 陽を受けてたけど...
中原中也 「在りし日の歌」
...花菖蒲(はなしょうぶ)及び蝿取撫子(はえとりなでしこ)...
正岡子規 「病牀六尺」
...蝿は重苦しい暑さの中に...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「なぐり合い」
...蝿牢人も蝿法師も...
吉川英治 「新書太閤記」
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