...丁度(ちようど)軽井沢の馬蝿のやうに緑色の目をした馬蝿だつた...
芥川龍之介 「鵠沼雑記」
...いつのまにかたかっていた青蝿(あおばえ)が...
芥川龍之介 「偸盗」
...例の蛇(ながむし)の死骸(しがい)にたかった青蝿(あおばえ)が...
芥川龍之介 「偸盗」
...黒子(ほくろ)のように黒く点ぜられたその蝿は...
有島武郎 「星座」
...蝿がまた動いた...
有島武郎 「星座」
...ただ面白くもあり五月蝿くもあった...
魯迅 井上紅梅訳 「不周山」
...男の顔には再び蝿が戻って止り始めるらしかった...
梅崎春生 「日の果て」
...鼠・蝿・蚊といつたやうなてあひにかかつてはさうはゆかない...
薄田泣菫 「独楽園」
...五月蝿と書いて、うるさいと読ませるが、これでは九月蝿と書き直したほうがよさそうだ」そんなことをつぶやいてから、「砂馬君は無理にすすめんほうがいいな」「はあ」「砂馬君には何も言わんほうがいいね」口の軽い俺をたしなめるように言って、またハエをたたいた...
高見順 「いやな感じ」
...・わかれて遠い瞳が夜あけの明星・草ふかく韮が咲いてゐるつつましい花植ゑるより蜂が蝶々がきてとまる花・日向ぼつこは蝿もとんぼもみんないつしよに・更けると澄みわたる月の狐鳴く・朝月あかるい水で米とぐ九月十四日曇...
種田山頭火 「其中日記」
...五月蝿(うるさ)い追求を避けるためであったと思う...
コナン・ドイル 三上於莵吉訳 「空家の冒険」
...天井の蝿(はえ)を眺めたり...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...蝿帳(はえちょう)でふさがれたその軒窓の前には...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...宛も瓶の中をぐるぐる飛び廻る蝿のようなものである...
豊島与志雄 「都会に於ける中流婦人の生活」
...鉢のあいた頭いっぱいに、吹き出ものがしていて、それに、蝿が四五匹、とまったまま動かない...
火野葦平 「花と龍」
...桑港では警察が五月蝿いですからねえ―― The police make it too hot for me in San Francisco, you know ――しかし...
牧逸馬 「土から手が」
...あの恐ろしい蛆の蝿が...
三澤勝衛 「自力更生より自然力更生へ」
...人のいない部屋の蝿の群り飛ぶ中でひっそりと鳴る柱時計...
横光利一 「夜の靴」
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