...×馬蝿(うまばへ)は水星にも群(むらが)つて行つた...
芥川龍之介 「軽井沢で」
...……蝿が素早く居所をかえた...
有島武郎 「星座」
...……清逸はそこまで考えてくると眼の前には障子も蝿もなくなっていた...
有島武郎 「星座」
...蒼蝿(ぎんばえ)がブーンと来た...
泉鏡花 「瓜の涙」
...油虫よりも蝿や蚊の方がよい...
種田山頭火 「其中日記」
...……・風がすゞしく吹きぬけるので蜂もてふてふも・死ねる薬をまへにしてつく/\ぼうし・草の青さをしみじみ生き伸びてゐる・住みなれて草だらけ・のぼる陽をまつ糸瓜の花とわたくしと・さらりと明けてゐるへちまのはな・朝月はすずしいいろの桔梗がひらく炎天のヱンジンのまはるとゞろき・なんとかかんとか蝿もつれてきて・こゝろむなしくて糸瓜咲く炎天...
種田山頭火 「其中日記」
...――(伊ヱ遂に開戦)・秋空たかく号外を読みあげては走る・日向あたゝかくもう死ぬる蝿となり・朝風の柿の葉のおちるかげ・月夜のみみずみんな逃げてしまつた(釣餌)・いま汲んできた水にもう柿落葉・燃えつくしたる曼珠沙華さみしく(改作)十月五日秋晴...
種田山頭火 「其中日記」
...十一月十日病中老吟一句――はひあるく秋蝿のわたくしAさん来庵...
種田山頭火 「其中日記」
...江戸で蝿取蜘蛛(はえとりぐも)を愛玩した事実が窺われ...
寺田寅彦 「西鶴と科学」
...彼は蝿や時には蚯蚓などを取って蝦蟇に与えていた...
豊島与志雄 「蝦蟇」
...蝿や蛾が巣にかかれば...
豊島与志雄 「蜘蛛」
...宛も瓶の中をぐるぐる飛び廻る蝿のようなものである...
豊島与志雄 「都会に於ける中流婦人の生活」
...次は蝿だ...
豊島与志雄 「美醜」
...蝿(はへ)はブンブン 唸つてる畳ももはや 黄色くなつたと今朝がた 誰かが云つてゐたつけそれやこれやと とりとめもなく僕の頭に 記憶は浮かび浮かぶがまゝに 浮かべてゐるうちいつしか 僕は眠つてゐたのだ覚めたのは 夕方ちかくまだかなかなは啼(な)いてたけれど樹々の梢は 陽を受けてたけど...
中原中也 「在りし日の歌」
...こいつは蝿と同様...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...あまり五月蝿く自信あり気に頼むし...
牧逸馬 「ロウモン街の自殺ホテル」
...花菖蒲(はなしょうぶ)及び蝿取撫子(はえとりなでしこ)...
正岡子規 「病牀六尺」
...朝からそこにおいてある蝿除(はえよ)けをかけたままの膳を見て...
吉川英治 「大岡越前」
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