...)バプテズマのヨハネは彼の前には駱駝(らくだ)の毛衣(けごろも)や蝗(いなご)や野蜜に野人の面目を露(あらは)してゐる...
芥川龍之介 「続西方の人」
...一飛びに階段を三段ずつ蝗(いなご)のように登って来た...
芥川龍之介 「保吉の手帳から」
...此の蝗の移民隊は...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...北満洲の秋の野には蝗(いなご)や蛙が飛んだり...
薄田泣菫 「茶話」
...ふみはづす蝗(いなご)の顔の見ゆるかな昭和三年十月秋風に草の一葉のうちふるふ流れ行く大根の葉の早さかな昭和三年十一月十日九品仏(くほんぶつ)吟行...
高浜虚子 「五百句」
...それは蝗(いなご)のような虫であった...
田中貢太郎 「胡氏」
...鎗の穂先が数十匹の蝗(いなご)の飛ぶように敏捷(びんしょう)に...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...蝗は群をなして飛びかい...
種田山頭火 「草と虫とそして」
...いちばん珍しいのは空をおおうて飛翔(ひしょう)する蝗(いなご)の大群である...
寺田寅彦 「映画雑感(1[#「1」はローマ数字、1-13-21])」
...それがいくらかこの蝗群の羽音に似通(にかよ)っているのである...
寺田寅彦 「映画雑感(1[#「1」はローマ数字、1-13-21])」
...しかし蝗(いなご)やフラミンゴーに限らず...
寺田寅彦 「映画雑感(1[#「1」はローマ数字、1-13-21])」
...黄なる日の光を震わして蝗(いなご)飛ぶ秋の田の豊けさに伴うさま/″\の趣も...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...蝗など獲つて喰つた...
原民喜 「廃墟から」
...茅葺の山家は壁がぬけて蜻蛉や飛蝗(ばった)の棲家になり...
久生十蘭 「うすゆき抄」
...見渡す限りの稲田の中に点々と飛び交ふてゐる人々の有様は蝗採りが始まつたかのやうな光景であつた...
牧野信一 「夜見の巻」
...蝗(いなご)の飛ぶ中から呼ばれる気持ちは...
横光利一 「夜の靴」
...米ツキ蝗(ばった)みたいにお粗末な手をあわせた...
吉川英治 「新・水滸伝」
...数百千の男女はエジプトの野を覆うという蝗の群れのように動いている...
和辻哲郎 「霊的本能主義」
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