...チエホフが短篇「蝗(いなご)」の主人公と同名なりしと覚ゆ...
芥川龍之介 「骨董羹」
...)バプテズマのヨハネは彼の前には駱駝(らくだ)の毛衣(けごろも)や蝗(いなご)や野蜜に野人の面目を露(あらは)してゐる...
芥川龍之介 「続西方の人」
...天をおおう蝗(いなご)の羽音のように...
芥川龍之介 「偸盗」
...自由恋愛家のやうな蝗(いなご)が雄と雌と抱(いだ)き合つて跳ね合つたりする度に...
薄田泣菫 「茶話」
...蝗を食べ過ぎたヨハネのやうに...
薄田泣菫 「茶話」
......
種田山頭火 「其中日記」
...それがいくらかこの蝗群の羽音に似通(にかよ)っているのである...
寺田寅彦 「映画雑感(1[#「1」はローマ数字、1-13-21])」
...自分の田舎(いなか)では人間の食うものと思われていない蝗(いなご)の佃煮(つくだに)をうまそうに食っている江戸っ子の児童もあって...
寺田寅彦 「コーヒー哲学序説」
...ヨハネの黙示録の第九章に示された恐ろしい蝗(いなご)の災いを欧州大戦における飛行機にうまく当てはめておもしろく書いてある...
寺田寅彦 「ルクレチウスと科学」
...其代りに今日學校が終つたら軍に食はせる蝗を少しとつて來てくれないか』といふ...
土井八枝 「隨筆 藪柑子」
...黄なる日の光を震わして蝗(いなご)飛ぶ秋の田の豊けさに伴うさま/″\の趣も...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...しろじろとみえる頸筋(くびすじ)や手くびのあたりに蝗(いなご)みたいに飛びつく夜露...
中勘助 「小品四つ」
......
中谷宇吉郎 「雪」
...蝗には水と草の区別がつかなかつたと見える...
新美南吉 「良寛物語 手毬と鉢の子」
...ほとほとと飛びあるく飛蝗(ばった)の足音を聞きながら...
久生十蘭 「うすゆき抄」
...汝これを蝗虫(いなご)のごとく飛ばしむるや...
南方熊楠 「十二支考」
...王女や小鳥や孔雀のむれは間もなくパヴロアの舞踏を見た粉ぽい西洋紙がまるめられ音楽のまにまに舞ひ沈みながらゐたどこから入つてきて止つたのか肉じばんをはいたパヴロアの長いしなやかな足さきに青い一匹の蝗(いなご)が止つて足掻(あが)いてゐた...
室生犀星 「忘春詩集」
...数百千の男女はエジプトの野を覆うという蝗の群れのように動いている...
和辻哲郎 「霊的本能主義」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??