...謡ったのは確か「蝉丸(せみまる)」であった...
高浜虚子 「漱石氏と私」
...その結果蝉丸は謡曲としても能としても一時上演禁止となったらしい...
戸坂潤 「世界の一環としての日本」
...透き通るような姿をして現われて来た逢坂の関の清水の蝉丸神社(せみまるじんじゃ)の鳥居から...
中里介山 「大菩薩峠」
...弁信の肩から生活のたつきの琵琶一面が消滅しているところを以てして見ると、その後、彼は目的を達して、多景島から竹生島に転航し、そこで首尾よく、彼が年来の大願としての琵琶を神前に奉納し了って、そこで、かくばかり肩がわりをしたのか、そうでなければ、竹生島へは渡らずに、つい今の先、この関の蝉丸神社へ一期(いちご)の思い出に納め奉ってしまったのか、そのいずれかであろうとは推察が届くのであります――竹生島にしても、蝉丸にしても、琵琶とは極めて縁が深い...
中里介山 「大菩薩峠」
...蝉丸神社へ参詣したと覚えているが...
中里介山 「大菩薩峠」
...第六十話「蝉丸の香炉」までの間に...
野村胡堂 「胡堂百話」
...このとおり蝉丸の香炉は返って来ましたよ」主人の金兵衛は笑み崩れそうです...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...新年の大香合(だいかうあは)せに使ふ爲に拜借した蝉丸(せみまる)の香爐(かうろ)...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...「蝉丸(せみまる)の香爐(かうろ)は此家から出た樣子はありません...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...或る時翁は藤堂伯(先代)から召されて「蝉丸」の道行の一調謡の御所望を受けたが...
夢野久作 「梅津只圓翁伝」
...蝉丸流(せみまるりゅう)...
吉川英治 「私本太平記」
...近ごろ蝉丸(せみまる)の再生とみんなが評判している琵琶の上手...
吉川英治 「私本太平記」
...日ごろは琵琶(びわ)の祖神蝉丸(せみまる)像の幅(ふく)が見える板かべの床(とこ)には...
吉川英治 「私本太平記」
...また親王の雑色(ぞうしき)で名だかい蝉丸(せみまる)」「当代では」「畏れ多いおうわさでございますが...
吉川英治 「親鸞」
...蝉丸道士(せみまるどうし)の秘曲を山風にしのばせて...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...蝉丸のように痩(や)せた老禰宜(ねぎ)が...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...蝉丸神社の額堂(がくどう)を...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...琵琶(びわ)を抱いた蝉丸の像や...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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