...ぷるぷるッと蝉(せみ)の羽根のようにふるえた...
海野十三 「怪星ガン」
...空蝉(うつせみ)広場から先を...
海野十三 「断層顔」
...十七年もの長い間立て続けに地下生活を送つてゐる蝉があるさうだ...
薄田泣菫 「独楽園」
...私はよく蝉の木彫をつくる...
高村光太郎 「蝉の美と造型」
...蝉の声がしている...
林不忘 「安重根」
...蝉がジンヤジンヤと啼(な)きたてている...
林芙美子 「新版 放浪記」
...夏の野に幻の破片きらめけり短夜を※れし山河叫び合ふ炎の樹雷雨の空に舞ひ上る日の暑さ死臭に満てる百日紅重傷者来て飲む清水生温く梯子にゐる屍もあり雲の峰水をのみ死にゆく少女蝉の声人の肩に爪立てて死す夏の月魂呆けて川にかがめり月見草廃虚すぎて蜻蛉の群を眺めやる...
原民喜 「原子爆弾 即興ニスギズ」
...なるほど梢のクマ蝉やアブラ蝉のわんわんと鳴り渡る声に交つて...
牧野信一 「創作生活にて」
...「殻から出ようとしてゐる蝉がゐるのよ...
牧野信一 「ブロンズまで」
...島田川もこのお手紙の思い出はあどけない子供の永い夏の日が蝉の声と一緒に思いやられます...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...林の中では早朝から蝉(せみ)がやかましく鳴き交しています...
山本周五郎 「失蝶記」
...戸袋(とぶくろ)に手を掛けて柿(かき)の樹を見上げた途端(はずみ)に蝉は逃げた...
與謝野寛 「蓬生」
...紅牙(コウガ)催拍(サイハク)シテ燕ノ飛ブコト忙(セワ)シ一片ノ行雲(コウウン)画堂(ガドウ)ニ到ル眉黛(ビタイ)促(モヨオ)シテ成ス遊子ノ恨ミ臉容(レンヨウ)初(ハジ)メテ故人ノ腸(ハラワタ)ヲ断ツ楡銭(ユセン)買ワズ千金ノ笑柳帯(リュウタイ)ナンゾ用イン百宝ノ粧(ヨソオ)イ舞(マイ)罷(ヤ)ミ簾(レン)ヲ隔テテ目送スレバ知ラズ誰カコレ楚(ソ)ノ襄王(ジョウオウ)眼を貂蝉のすがたにすえ...
吉川英治 「三国志」
...王允の家の貂蝉(ちょうせん)といえば有名な美人だから」「それですよ...
吉川英治 「三国志」
...珠簾(しゅれん)の宝台(ほうだい)に貂蝉を抱き乗せ...
吉川英治 「三国志」
...鳳儀亭(ほうぎてい)で貂蝉(ちょうせん)と密会していた彼のすがたが思い出されていやな気もちになった...
吉川英治 「三国志」
...(びん)には一対(つい)の翡翠(ひすい)の蝉(せみ)を止めている...
吉川英治 「新・水滸伝」
...それも覚えたか』この老蝉と幼蝉が...
吉川英治 「田崎草雲とその子」
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