...妙にしんみりした蝉(せみ)の声がどこか遠い木に澄み渡っていた...
芥川龍之介 「死後」
...唖蝉(おしぜみ)は氣づかはしげに立ちすくむ日を...
薄田泣菫 「泣菫詩抄」
...何かほしいな・夕蝉...
種田山頭火 「其中日記」
...蜘蛛の囲にひつかゝつてあえない最後を遂げた(その蝉を助けないのは私の宿命観だ)...
種田山頭火 「其中日記」
...法師蝉とは別な声...
種田山頭火 「其中日記」
...何故蝉を取る袋を持つて來なかつたらうと道綱は後悔した...
田山花袋 「道綱の母」
...蝉も蟋蟀も、事によつては雁や時鳥と同じやうに、やがて遠からず前の世の形見になつてしまふのかも知れない...
永井荷風 「蟲の聲」
...蝉(せみ)の脱殻(ぬけがら)みたいな老人になっている...
萩原朔太郎 「老年と人生」
...しんしんと蝉は鳴いている...
林芙美子 「清貧の書」
...それは夏の日の蝉のやうでもあつた...
林芙美子 「なぐさめ」
...その飾りは蝉(せみ)の形や旄牛(ぼうぎゅう)の尾を立てたらしい...
南方熊楠 「十二支考」
...蝉がオーシイツクツク...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...空蝉のほうでは源氏と恋をすることの不似合いを...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...呪(のろ)ひごとする悪の蝉(せみ)...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集」
...蝉(せみ)しぐれは...
吉川英治 「剣の四君子」
...貂蝉、今にきっと、そなたの心に添うようにするから、死ぬなどと、短気なことは考えぬがいい」「えっ……ほんとですか...
吉川英治 「三国志」
...貂蝉は、チラと、眼をかがやかしたが――すぐ無邪気な表情をして、「まあ...
吉川英治 「三国志」
...明朗と苦悩の域(いき)をとうに蝉脱(せんだつ)した人格は...
吉川英治 「親鸞」
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