...蜆(しじみ)の貝殻の棄てたも交る...
泉鏡花 「薄紅梅」
...「蜆ですよう」朝の光が射しそめる頃から...
梅崎春生 「黄色い日日」
...彼は下駄で蜆のからを踏みつけた...
梅崎春生 「黄色い日日」
...白木はもう蜆を持ってこなくなるだろう...
梅崎春生 「黄色い日日」
...釦(ぼたん)を握った死体と、啼く蜆と、舌足らずの女房と、この俺と、それは醜悪な構図だ...
梅崎春生 「蜆」
...今日は柿の葉が一枚散り込んでゐるだけ!蜆貝汁をこしらへつゝ...
種田山頭火 「其中日記」
...鰕と蜆貝とをあさつて戻つた...
種田山頭火 「其中日記」
...蜆貝(しじみがい)に入れた水ほどのものじゃ...
中里介山 「大菩薩峠」
...おととしの十月中(なか)の亥(い)の子(こ)に炬燵あけた祝いとてここで枕並べてこのかた女房のふところには鬼がすむか蛇(じゃ)がすむかそれほど心残りなら泣かしゃんせ泣かしゃんせその涙が蜆川(しじみがわ)へ流れたら小春が汲んで飲みゃろうぞと三味線に合わせて口ずさみましたから...
中里介山 「大菩薩峠」
...蜆では少し持って廻って...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...貧乏なればこそ蜆を擔がせて...
樋口一葉 「大つごもり」
...貧乏なればこそ蜆を担がせて...
樋口一葉 「大つごもり」
...摺鉢の蜆(しじみ)ッ貝をゆする音がざくざく...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...今日の昼食も蜆汁になりそうだの...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...馬鍋と名物の蜆汁や里芋で食べて...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...――浅利、蛤やれ待て蜆、さざえのことから角を出し――というのが絶品だったといいますが、そういう文句や節廻しの記憶はなく、やはり、しゃっくりばかり...
正岡容 「随筆 寄席風俗」
...蹣跚(まんさん)と蜆河岸(しじみがし)へさしかかった...
山本周五郎 「其角と山賊と殿様」
...名主丑藏方にて初めて蜆汁をふるまはれ...
横瀬夜雨 「春」
便利!手書き漢字入力検索