...古池を飛び出した蛙は百年の愁を与へたかも知れない...
芥川龍之介 「侏儒の言葉」
...元結紙首をふるのでしまる也料理人うんきも少し考えるこうほねのうごくをみれば蛙なり鳥の毛を捨てるに風を見すましてせきばらいごぜも少々にが笑い...
海野十三 「江戸推理川柳抄」
...こんな蛙の子みたいな妖怪に...
海野十三 「最小人間の怪」
...」雨蛙はからかわれでもしたようにいやな顔をしました...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...人間は雨蛙が道風を感化して...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...スマイリイは蛙なら自分が捕って来るとあって...
薄田泣菫 「初蛙」
...夜になって蛙神が近村の人びとの夢にあらわれて...
田中貢太郎 「青蛙神」
...それ以来はもう口をつけないでただ前足で蛙(かえる)の頭をそっと押えつけてみたり...
寺田寅彦 「ねずみと猫」
...櫟(くぬぎ)や楢(なら)や其(その)他(た)の雜木(ざふき)は蛙(かへる)が鳴(な)けば鳴(な)く程(ほど)さうしてそれが鳴(な)き止(や)む季節(きせつ)までは幾(いく)らでも繁茂(はんも)することを繼續(けいぞく)しようとする...
長塚節 「土」
...叩き付けられた蛙(かえる)のように伸びて...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...と鳴く蛙(かへる)...
萩原朔太郎 「月に吠える」
...吉原!土堤ばたに死んでる蛙のやうに白く腹を出してる遊廓地帶だ...
萩原朔太郎 「定本青猫」
...五十五調の句およぐ時よるべなきさまの蛙かなおもかげもかはらけ/\年の市秋雨や水底の草を蹈み渉(わた)る茯苓(ぶくりゃう)は伏かくれ松露(しょうろ)はあらはれぬ侘禅師乾鮭(からざけ)に白頭の吟を彫(ゑる)五七六調...
正岡子規 「俳人蕪村」
...その蛙を検するに何処にもある金線蛙(とのさまがえる)だった...
南方熊楠 「十二支考」
...ベン蛙とブン蛙とが一緒にカン蛙のうちへやって来ました...
宮沢賢治 「蛙のゴム靴」
...井戸の中の蛙が大海を何とやらだ...
三好十郎 「天狗外伝 斬られの仙太」
...僕には臍がないうたの議論のやかましやさてみなさま商標に御注意あれ巷間に贋物あり写生冬至老婆は空気枕のやうに軽い居睡りながら笑つてゐる夕暮しんとした山から大きな木の葉が落ちて来る月蛙のやうに啼いてゐる水禽さく さく と...
三好達治 「測量船拾遺」
...蛙の様に浮んで泳ぎの形を為すのもあった...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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