...いつか番傘で蛙を聞いた時ここに畝(うね)近く蚕豆(そらまめ)の植っていたと思う……もう提灯が前を行く……その灯とともに...
泉鏡花 「遺稿」
...木の葉蛙の背中のような...
海野十三 「火星兵団」
...蛙のやうに踏み潰されてゐようが...
薄田泣菫 「茶話」
...私は近くの木の繁みのなかに一つの雨蛙を見つけて...
薄田泣菫 「独楽園」
...スマイリイが自慢の蛙は...
薄田泣菫 「初蛙」
...将監が笛を愛するのと同じように、雨蛙をも愛して、それに音曲を仕込んだ心を、私はなつかしまずにはいられません.二京都大学のK博士が、知恩院の境内に住んでいた頃、ある日の夕方山内をぶらぶら歩いていると、薄暗い木蔭で胡散そうな一人の男が、何か捜し物でもしているらしく、そこらに生え繁った小笹の中をうそうそかき分けているのが眼につきました...
薄田泣菫 「初蛙」
...……澄太居雑詠よい酒でよい蛙でほんに久しぶり雨ふる古い古い石塔が青葉がくれに青葉をへだててお隣は味噌でも摺るらしい音柊のあを/\としておだやかなくらし朝の鏡の白い花のかげ蛙ひとしきりそれからまた降る□海は曇つて何もない雨つんばくろよいつしよにゆかう六月三日 晴...
種田山頭火 「旅日記」
...蛙(かへる)は假死(かし)の状態(じやうたい)から離(はな)れて軟(やはら)かな草(くさ)の上(うへ)に手(て)を突(つ)いては...
長塚節 「土」
...春先になると無数の蛙(かえる)が生れるのだそうである...
夏目漱石 「門」
...蛙(かへる)に子守歌(こもりうた)を教(をし)へて貰(もら)ひました...
新美南吉 「お母さん達」
...田圃の中に蛙が鳴いてる...
萩原朔太郎 「悲しい新宿」
...蛙村というところかね...
林芙美子 「龜さん」
...どちらも青蛙になんか比較出来ないほど立派な人達だと思っているし...
久生十蘭 「だいこん」
...諺(ことわざ)に言う「井の底の蛙(かわず)」にて...
福沢諭吉 「学問のすすめ」
...その自然の上に活眼を開きたる時の第一句が蛙の句なりしは偶然の事に属す...
正岡子規 「古池の句の弁」
...いろんな蛙がゾロゾロと蛙の病院の入り口から這入って来ては姫の顔をのぞき込みます...
夢野久作 「オシャベリ姫」
...腰抜けな荊州蛙の一匹だろう...
吉川英治 「三国志」
...石井山の蛙(かわず)ヶ鼻(はな)の下まで...
吉川英治 「新書太閤記」
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