...自然の眼には人間も蚤(のみ)も選ぶところなしと云へるトウルゲネフの散文詩は真実なり...
芥川龍之介 「大正十二年九月一日の大震に際して」
...その上に蚤(のみ)が這(は)ひあがる...
石川啄木 「心の姿の研究」
...彼は背中に蚤(のみ)がゴソゴソ動いたほども感じないで...
海野十三 「見えざる敵」
...暇があると蚤(のみ)を取ってやったりブラシをかけてやったりし...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のおんな」
...蚤と蚊が代る代るやって来て刺したり食いついたりしました...
夢野久作 「蚤と蚊」
...小猿(こざる)が二匹向かい合って蚤(のみ)をとり合ったりけんかをしたりするのが...
寺田寅彦 「映画時代」
...ちょうど蚤(のみ)をつぶすような工合にこの微細な朱唐紙の切片を紙面に貼り付ける...
寺田寅彦 「柿の種」
...蚤(のみ)が螫(さ)したほどでもいいから...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...蚤(のみ)の螫(さ)した跡のやうな文身を持つて居る人間までが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...身體には蚤(のみ)にさゝれたほどの傷もないのはどういふわけだ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...蚤は蚤でも、タキシードの襟にカーネェションの花をつけた大きな蚤なので、安部もむっとしないわけではなかったが、西洋の女蕩しというものは、どれほど執拗で抜目がなく、そういうものにたいして、日本の女性がいかに脆く出来ているかということも承知している...
久生十蘭 「予言」
...因ってその辺の猫は今に蚤付かず...
南方熊楠 「十二支考」
...京都の朝市に匹敵するのは、北京の泥棒市、巴里の蚤の市、倫敦のカルドニアン・マーケット等、何れも興味津々たるものである...
柳宗悦 「京都の朝市」
...日本のようなこんな蚤(のみ)のくそみたいなようなちっぽけな国で...
山本周五郎 「季節のない街」
...この蚤に悩まされている最中の自分と妻は...
横光利一 「夜の靴」
...蚤(のみ)もつぶせねえの」「そうさ...
吉川英治 「大岡越前」
...「旅籠(はたご)の蚤(のみ)や蚊(か)が気になって...
吉川英治 「剣の四君子」
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若山牧水 「樹木とその葉」
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