...いつも蚤のやうに跳ねるだけである...
芥川龍之介 「僕は」
...「舐(な)めちゃ取り、舐めちゃ取り、蚤(のみ)だか、虱(しらみ)だか捻(ひね)っています...
泉鏡花 「薄紅梅」
...蚤(はや)いこと...
泉鏡花 「婦系図」
...蚤に喰われたほども感じないさ...
海野十三 「深夜の市長」
...恥し気もなく蚤と虱とを最後にいひ添へてゐるのを見ると...
薄田泣菫 「独楽園」
...みんな慾の深そうな顔をした婆さんや爺さんが血眼(ちまなこ)になって古着の山から目ぼしいのを握(つか)み出しては蚤取眼(のみとりまなこ)で検査している...
寺田寅彦 「札幌まで」
...むしろありまきやうじや蚤(のみ)などのようなものが群集したところを連想するのかもしれない...
寺田寅彦 「自由画稿」
...ただ一死の蚤(はや)からざるを悲しむのみ...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...他の病室の患者の慰めなりといへどもひとの枕のほとり心づかざれば未だみしこともなく朝まだき涼しき程の朝顔は藍など濃くてあれなとぞおもふ僅に凌ぎよきは朝まだきのみなり蚤くひの趾などみつゝ水をもて肌拭くほどは涼しかりけり夕に汗を流さんと一杯の水を被りて糊つけし浴衣はうれし蚤くひのこちたき趾も洗はれにけり涼味漸く加はる松の木の疎らこぼるゝ暑き日に草皆硬く秋づきにけり三二十三日...
長塚節 「長塚節歌集 下」
...肥ったドイツ人がグレッチャーフロー(氷河の蚤)という名前を教えた...
野上豊一郎 「吹雪のユンクフラウ」
...蚤(のみ)、虱(しらみ)、バッタ、カマキリ、百足虫(むかで)、――虫と名のつくものにろくなものがない」「目障りだったら、捻(ひね)り潰(つぶ)すだけの事だ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...お前は此處で猫の蚤(のみ)でも取つてゐりや宜いのに」「からかつちやいけませんよ」八五郎はまさに敗北でした...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...と蚤たちに頼んだりした...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「審判」
......
前田普羅 「普羅句集」
...己達ならば蚤なぞがちょぴりと螫せばすぐ潰す...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...蚤はこれに乗って海へ行くと信ぜられている...
柳田国男 「年中行事覚書」
...どっか蚤のいない所で眠ってみたいわ...
横光利一 「夜の靴」
...蚤(のみ)が出るから』と...
吉川英治 「田崎草雲とその子」
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