...虻(あぶ)と蚋(ぶよ)とは自然の斥候(せっこう)のようにもやもやと飛び廻った...
有島武郎 「カインの末裔」
...この安東氏を病院へ収容した上でのことにしましょう」虻熊課長はそういって...
海野十三 「心臓盗難」
...「おい虻小僧...
海野十三 「一坪館」
...這入(はい)りたる虻(あぶ)にふくるる花擬宝珠(はなぎぼし)炎天の空美しや高野山(こうやさん)昭和五年七月十三日旭川(きょくせん)...
高浜虚子 「五百句」
......
谷譲次 「踊る地平線」
...虻田(あぶた)と豊浦(とようら)の間の海岸に...
知里真志保 「あの世の入口」
...虻(あぶ)の群(む)れあつまって唸(うな)る声が独り夏の日の永いことを知らせているばかりである...
永井荷風 「つゆのあとさき」
...福沢先生は爵位を受けず板垣翁は華族一代論を称えし事さえあるに今の若きものにて猶斯の如き文言を書して宴席に人を誘うものあるかと思えば世の中は年と共におくれて行く様な気もする折から青空に飛行機虻の如くうなり泥濘の巷に普通選挙の声蛙の如く湧き出るを耳にす...
永井荷風 「偏奇館漫録」
...虻(あぶ)のような羽虫(はむし)も飛んでいる...
林芙美子 「田舎がえり」
...虻が一尾腹にとまつても激しく全身を震はせて飛びあがつたり...
牧野信一 「夜見の巻」
...虻(あぶ)多きためなり...
柳田国男 「遠野物語」
...虻はもう夢中になって...
夢野久作 「虻のおれい」
...けれども虻は刺しますから...
夢野久作 「虻のおれい」
...その時ブーンと唸(うな)って一匹の虻が飛んで来て...
夢野久作 「虻のおれい」
...あぶない芸当は」「虻(あぶ)も蜂もあるものか...
吉川英治 「江戸三国志」
...虻(あぶ)蜂(はち)とらずになるぜ...
吉川英治 「魚紋」
...また抜(ぬ)けだされたら虻蜂(あぶはち)とらずじゃ...
吉川英治 「神州天馬侠」
...その忙しげに歩いてゆく鼻先に虻の死骸を置いた...
若山牧水 「樹木とその葉」
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