...虻蜂(あぶはち)とらずの歎(たん)を招くは...
芥川龍之介 「雑筆」
...「ごもっともです」事務長は虻(あぶ)に当惑した熊(くま)のような顔つきで...
有島武郎 「或る女」
...烏啼の仕業と判断せられたわけですな」捜査課長の虻熊(あぶくま)警視が挨拶をした...
海野十三 「心臓盗難」
...結局今までの犠牲が虻蜂とらずに終るばかりでなく...
相馬愛蔵 「私の小売商道」
...這入(はい)りたる虻(あぶ)にふくるる花擬宝珠(はなぎぼし)炎天の空美しや高野山(こうやさん)昭和五年七月十三日旭川(きょくせん)...
高浜虚子 「五百句」
...枯菊の色をたづねて虻(あぶ)来たるどこやらに急に逃げたる冬日かな十二月二十一日 土筆会...
高浜虚子 「六百句」
...三井寺にて夕月夜うみ少しある木の間かな俳諧勧進帳 奉加乞食路通いね/\と人にいはれつ年の暮草臥て烏行くなり雪ぐもり草枕虻を押へて寝覚めけり┌五句三十一音...
種田山頭火 「其中日記」
...「落ちざまに虻(あぶ)を伏せたる椿哉」という先生の句が...
寺田寅彦 「柿の種」
...松虫草のなかをゆくと虻の群が一斉に羽音をたてて飛びあがる...
中勘助 「島守」
...虻(にじ)のように鮮麗に...
野村胡堂 「楽聖物語」
...虻(あぶ)が一匹...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...ツクツクボーシほどもある虻(あぶ)が...
葉山嘉樹 「山谿に生くる人々」
...大山は大声で逃げ去った虻に...
葉山嘉樹 「山谿に生くる人々」
...私が一匹の虻であることを悲しみはしない...
北條民雄 「頃日雑記」
...」「虻色の翼をもつた God Honsu がナイルの上流で探し索めた Osiris の花をくはへてオリンピアの上空に現れた時のやうに...
牧野信一 「ファティアの花鬘」
...ぶむぶむぶむ……虻はふりそそぐ光のなかを急いだ...
室生犀星 「星より來れる者」
...虻は狂いまわってビンのガラスのアッチコッチへぶつかりながら...
夢野久作 「虻のおれい」
...また抜(ぬ)けだされたら虻蜂(あぶはち)とらずじゃ...
吉川英治 「神州天馬侠」
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