...一体私は生れつき眼鏡類を、余り好みませんので、遠眼鏡にしろ、顕微鏡にしろ、遠い所の物が、目の前へ飛びついて来たり、小さな虫けらが、けだものみたいに大きくなる、お化じみた作用が薄気味悪いのですよ...
江戸川乱歩 「押絵と旅する男」
...虫けらだ...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...はっと醒めては自身の虫けらを知り...
太宰治 「善蔵を思う」
...あたしは、虫けらだ...
太宰治 「火の鳥」
...虫けらにもなれなかった...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...わたしは今までなんど虫けらになりたいと思ったかしれない...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...「私は虫けらにすぎません...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...」「四輪馬車に乗った地上の虫けら!」と民約議会員はつぶやいた...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...所詮(しょせん)己は牛にふみつぶされる道傍(みちばた)の虫けらのごときものにすぎなかったのだ...
中島敦 「李陵」
...だからこの解釈は人間と虫けらを概括(がいかつ)するところに面白味があって...
夏目漱石 「坑夫」
...この「虫けら」のようなボーイ長に対してさえ...
葉山嘉樹 「海に生くる人々」
...何のためにだ?)僕はガラス箱のなかの一匹の虫けらなのか...
原民喜 「魔のひととき」
...虫けら(新潮)は...
牧野信一 「浪曼的月評」
...胴から出たのは虫けらに...
夢野久作 「白髪小僧」
...しかし、橋の下の水面では、橋の上を通る人々が逆さまに映って動いていくだけで、凹(へこ)んだ鑵や、虫けらや、ぶくぶく浮き上る真黒なあぶくや、果実の皮などに取り巻かれたまま、蘇州からでも昨夜下って来たのであろう、割木を積んだ小舟が一艘、べったり泥水の上にへばりついて停っているだけであった...
横光利一 「上海」
...虫けらも同然だ」「だまれ...
吉川英治 「三国志」
...堂上堂下、悲しみに沈んでいるこの春の御諒闇(ごりょうあん)に、虫けらまでも、さびしさが、わかるとみえます」「夜だ、どうしても、昼間とは思えない――」介(すけ)は、道を曲がる...
吉川英治 「親鸞」
...この木と草と土以外に生物といえば虫けら位しかいはしまいと思われていた鬱蒼たる森の...
蘭郁二郎 「植物人間」
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