...それはさっき夢の中でお露から貰った彼(か)の秋草に虫の象眼のある香箱の蓋であった...
田中貢太郎 「円朝の牡丹燈籠」
...かうまで油虫が憎いとは情なくなる...
種田山頭火 「其中日記」
...僕は嘘(うそ)がつけないもんで失礼――あいつの作品にゃ虫酸(むしず)が走りますよ...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「かもめ」
...世界的拳闘選手(けんとうせんしゅ)が芋虫のように蠢動(しゅんどう)するのを見ることもできるのである...
寺田寅彦 「映画の世界像」
...かぶと虫もいれば...
フョードル・ドストエフスキー 神西清訳 「百姓マレイ」
...泣き虫だと彼から笑われた私は...
豊島与志雄 「死ね!」
...「こうなりゃこっちのものだ、芋虫ども、ならば手柄に追蒐(おっか)けてみやがれ」群集がパッと散って開いてくれた道を、笠に合羽の旅人体と、裸体に脚絆のがんりきとが疾風(はやて)の如く駈け抜ける足の早いこと...
中里介山 「大菩薩峠」
...そんな虫のいい商売が続くものではなかろうが...
中里介山 「大菩薩峠」
...毒のある虫見たいに...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...それにしても虫封じとはどんな事をすることか? 余はさう思つて一寸好奇心を起した...
牧野信一 「余の倅に就いて」
......
松本たかし 「松本たかし句集」
...そこのまわりの腰ぐらいの高さある草むらの中でどんなにこういう虫の声がしているかしら...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...老人は泣き虫であるからしかたがないと思うからである...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...それを犯せば虫が付き雑草が茂り風が吹き...
柳田国男 「年中行事覚書」
...ますます活動するのは田虫であった...
横光利一 「ナポレオンと田虫」
...虫好くして考えれば...
横光利一 「旅愁」
...樹皮の側面から嘴でたたいて怯(おび)えた虫の群がぞろぞろ表面に出てくるところを...
吉川英治 「上杉謙信」
...きのう今日の虫のいい願いなどは...
吉川英治 「私本太平記」
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