...脈を押えて候(うかが)えば遥(かす)かに通う虫の呼吸...
泉鏡花 「活人形」
...前にゆく毛虫の尻尾に自分の頭をくつつけてついてゆくので...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...虫はさまたげるもののない各自の世界に胸を高くはって歌っていた...
田中貢太郎 「女の怪異」
...虫の鳴いた蘆原(あしはら)も枯れて...
田山花袋 「田舎教師」
...今年は秋に入りて殊に雨多かりし故にや此頃に至り葉頭野菊紫苑のたぐひに至るまで皆毛虫つきたり...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...禽獣虫魚を友としていたと同じ心で...
中里介山 「大菩薩峠」
...虫一匹もここでは生きていけない...
中谷宇吉郎 「黒い月の世界」
...もっともこういう立派な学会での討論を「雪中虫無んや」と内容的に同じものというのでは決してないが...
中谷宇吉郎 「語呂の論理」
...「酒を呑(の)んで胃病の虫を殺せば...
夏目漱石 「行人」
...――何うしたら腹の虫が癒(い)えようか...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...――私はあんなのは虫が好きません――死んだ者を悪く言っちゃ済まないが...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...虫のやうに殺されてゐるんだ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...左足の裏に水虫の水ぶくれ二個出来て痛い...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...四「吾が昆虫採集記」の件りとしては...
牧野信一 「夜見の巻」
...すなわちこれあるがために昆虫が来るのだ...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...豚の生肉には例の寄生虫が沢山いる...
村井弦斎 「食道楽」
...かれがれに鳴く虫の声と松風の音が混じり合い...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...息のねを止めないでは俺の虫がおさまらん」と...
吉川英治 「三国志」
便利!手書き漢字入力検索